2) 環境に配慮した生産基盤強化と災害防止
中山間・山村地域の魅力は、農林業が周辺の自然と調和した景観を形成しているところにある。過疎化、高齢化、国際化の中でその経営環境は厳しくなっており、農地山林の荒廃化が進みつつあるが、農地山林の公益的機能と、農林業の地域産業としての重要性をふまえて引き続き生産基盤を強化する。
また、自然環境の保全と地域の安全を確保するため治山治水、河川砂防事業を実施する。
3) 生活環境の整備
中山間・山村地域の人々が地域に愛着を持ち、住みやすさを実感でき、快適に暮らせることが大切である。このため、都市との時間距離の短縮、地域内交流の円滑化、生活利便性の向上などを推進するため、基幹道路や生活道路、下水道、集会交流施設、ミニ公園などの整備を進める。
4) リゾート観光整備と新産業の創設誘致
中山間・山村地域の多くは、温泉と観光で発展してきた歴史があるが、近年の都市住民の欲求は「自然の中でのんびりと」が傾向となっている。交流滞在に視点を置き、自然環境と調和した農林業そのものに付加価値をみい出した小規模リゾートの形成や、地域の特性を生かした観光施設の整備を進める。
また、世界的なマルチメディア化は、関連産業にとってはどこでも立地が可能となる要素を含んでいるので、良好な自然環境が良好な職場を形成する時代が訪れようとしており、このための調査研究を進める。
5) 総合的施策の推進
中山間・山村地域は過疎化、高齢化の進行地域が多く、さまざまな施策を総合的に推進できる体制が必要となる。そのため、地域づくりを自ら考えて自ら担う人材の育成を進める。
また、景観保全、地域活性化、農業振興などの面においてヨーロッパで成果を上げているデカップリング制度についても、総合施策の一環として検討を進める。
本地域においては、自然環境や景観に配慮しつつ、都市機能の充実・強化を図るとともに、地域内市町村の連携による地域全体の活性化を図る必要があることから、次の目標のもとに活力とうるおいのある地域づくりをめざす。