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序. 調査研究の目的

 

1 調査研究の目的

 

(1) 目的・概要

今日、自治体における地域的連携や広域的連携と呼ばれるネットワーク化は、地域活性化方策において重要な位置を占めている。とくに新たな活性化シーズ(種)の創造や機能連携による施策効果の向上などに有効とされている。こうした点に着目し、榛名山麓を構成する自治体においても広域的連携に対する認識が高まってきている。

群馬県のシンボルである榛名山は上毛三山の一つで、ふもとを取り囲む市街地から標高1,500メートルの山頂まで多様な土地利用がなされており、山麓を構成する10市町村にとって貴重な地域資源となっている。

榛名山麓はこれまで、伊香保温泉や榛名湖などを中心とした県内有数の観光地であるとともに、農林業や製造業などの生産の場、あるいは地元の生活や交流の場として多様な利用がなされており、まさに<中山間地>としての活性化が期待される地域でもある。

しかしながら、榛名山麓を構成する数多くの市町村は、若者の流出、農林業後継者の不足、高齢化の進行など、さまざまな問題を抱えているのが実情である。加えて、農林業の停滞、商業・観光産業の伸び悩みなどによって、地域の活力が衰えつつある。

このような状況に対して、各自治体はそれぞれに将来像を描き、その実現に向けて積極的に各種施策を展開しているが、フルーツライン(広域農道)や吾妻榛名安中線などの交通体系の整備が進められ、新たな新幹線駅の誘致や高速ICの建設、ダム周辺の整備が構想されるなど、これまで以上に広域的な連携に基づく一体的な地域振興策が地域の発展にとって重要な意味を持ってきている。

そこで、本調査研究は、このような広域的視点から榛名山麓を対象として、新たな道路整備などを活用しながら、関係する市町村が相互に連携し、地域間交流を中心として地域の活性化を図るためのハード、ソフトにわたる諸方策を検討することを目的として実施するものである。

 

 

 

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