3 高齢者の新しいライフステージ*4形成と地元出身者の地域支援システム
形成の考え方
本調査研究は、中山間地域における「定住と交流」の促進について検討するものであるが、中山間地域は圧倒的に高齢者が多くなっている。そこで、元気高齢者がいかに生きがいをもちながら地域活性化に主体的に参画できるかという課題から検討することを視点においている。
また、中山間地域は過疎化に直面しているが、そのことは域外に多くの出身者を有していることでもある。このいわば「第二の住民」ともいうべき出身者が自らの故郷になんらかの支援ができうる可能性はどの程度あるのか、といった課題についても併せて検討をおこなった。
そこで、この二つの視点について、住民や出身者のニーズも含めて新たなあり方を提言するものとする。
(1) 高齢者の新しいライフステージ形成の考え方
高齢者といってもいわゆる前期高齢者(65歳〜74歳)と後期高齢者(75歳以上)とにわけて考えることが必要であり、一般的にいうと後期高齢者とりわけ80歳を越える高齢者に対しては何らかの福祉的対応が必要となる。
ここでは、特に年齢による区分はしていないが、主として70歳代くらいまでの「元気高齢者」を対象に、高齢者がいかに社会参加し、みずからの生きがいを形成していくかという視点から捉えたもので、基本的には次の点がポイントとなる。
● 高齢者が自立して生き生きと生活していくためには、自らの生きがいをもって、一定の所得を得、さらに地域社会での役割を担っていくシステムが形成されていることであり、それらのことを通して高齢者が自己実現化を図っていくことができるようにすることが基本となる。
● 中山間地域においては高齢者は重要な労働力である。すなわち、地域経営の一端を担う就業のスタッフとして活かすことが必要で