新たな全国総合開発計画の中で、中山間地域は「多自然住居地域」というとらえかたのなかで、21世紀の国土のフロンティアとして位置づけられている。
このような問題意識や時代状況にたち、21世紀を展望した全国総合開発計画の基本的な考えを示す「21世紀の国土のグランドデザイン」(平成7年国土審議会計画部会)の中では、中山間地域の今後の整備のあり方として次のように位置づけている。
位置づけ:新たな生活様式の実現を可能とする国土のフロンティア*2
整備方向:多自然住居地域
即ち、中山間地域が本来もっていた循環型社会システムは地球レベルでの環境問題を含め、来るべき21世紀の社会システムのあり方を示唆するものであり、この地域を維持・活性化させていくために、緑豊かな中で快適に住める条件づくりを目指すことが方向づけられている。
中山間地域を支えてきたのは、高齢者や女性であり、これらの人々の生きがいづ<りと、地域活性化の重要な戦力として活用していく方策は重要なテーマである。
若者を中心とした都市への人口流出により、中山間地域を支えてきたのは高齢者であり、残った女性である。
また、これからの社会の見通しの中でもさらなる都市への人口集中と中山間地域の過疎化が起こりえることも予想されている。
さらに、我が国の人口構造そのものが「高齢社会」へ突入し、長寿社会の時代を生きるための生きがいや生活対策が求められてくる。
中山間地域は、いわば我が国の「高齢社会」のモデルでもあり、これからも高齢者や女性の役割は大きく、中山間地域の活性化のために、高齢者が生きがいをもって暮らせ、高齢者が活躍できる地域社会はどのようなものであるか、ということは非常に重要なテーマとなる。