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第3章 21世紀の高齢社会の展望

 

1 21世紀における社会・経済環境の展望と中山間地域

 

21世紀社会のキーワードは、「自由時間社会」、「成熟化社会」、「高度情報・ネットワーク社会」である。

また、21世紀初頭には初めての人口減少社会が到来する一方、高齢化は着実に進展し、高齢化率30%程度で安定するとみられている。

この中で中山間地域は、情報を武器に立地ハンディ克服の可能性が生まれ、自然環境をベースにした「アンチ都市地域(自然を志向する人々があえて地方を求めて暮らす地域)」としての存在意義の高まりが期待される。

 

戦後50年あまりを経て、我が国は世界でもトップクラスの経済的繁栄に達した。しかし、物的豊かさの割りには“生活のゆとり”を十分に実感できるには至っておらず、いま、国民の価値観は“ゆとりの実感”、“こころの豊かさ”を求める方向に転換しつつあり、バブル崩壊の現在、その傾向はさらに強まってきている。

このような流れの中で、21世紀に向けては、一人ひとりの価値観とライフスタイルに即した生活の質的向上、国際的な広がりの中でのふれあい・交流や、そのための地域社会の再編がより活発化するものとみられ、「定住と交流」というのが、これからの地域政策の中でも重要なキーワードとなってくる。

一方、国立社会保障・人口問題研究所の将来人口推計(平成9年1月推計)に依ると、我が国の総人口は現在1億2,557万人(平成7年10月)であり、今後も増加を続け平成15年には1億2,745万人になるが、平成19年には1億2,778万人でピークを迎え、それ以降は、我が国が未だ経験したことのない「人口減少」という構造変化に突入することが予測されている。また、この傾向は世界的にもいえることであり、特に先進国では急激に人口の増加率も弱まりつつある。

また、高齢化は着実に進み、現在の14.6%(平成7年10月)から、人口

 

 

 

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