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4 大学周辺整備計画の状況

秋田県立大学周辺には、「本荘由利産学共同研究センター」の設置が予定されている。また、設置予定場所の周辺は「農業振興地域」に指定されており、大学を核とした地域づくりを進めていく上で、その取扱いが重要となっている。

 

(1) 本荘由利産学共同研究センターの計画概要

「本荘由利産学共同研究センター」は、地域の産業振興の拠点となる施設として位置づけられている。具体的には、地域内の機関・各種団体などの相互連携により、人材育成、共同研究、最新の技術情報などの提供を支援・展開する施設である。

本荘由利広域市町村圏組合が作成した「リーディングプロジェクト 本荘由利地域産業創造支援拠点整備事業推進計画」平成9年3月では、本センターの導入機能として、ア 共同研究機能、イ 人材育成機能、ウ 開放試験機能、エ 技術情報等提供機能、オ 交流・展示機能の5つを示した。

 

ア 共同研究機能

拠点施設の職員のコーディネートのもと、地域内外の企業及び大学等の研究員等が連携し、拠点施設において共同研究を行う。

共同研究スペースは、拠点施設が低廉な料金もしくは無料で貸与する。

想定する利用対象は、地域住民、地域内外の企業及び大学などの研究機関の研究員などとする。

○共同研究でとりあげるテーマ

共同研究のテーマは、以下のようなものが考えられる。

・地域の保有技術をベースとした、地域の技術レベルの向上を見据えた、広い範囲を包含するテーマ

・大学などの研究機関の持つ技術をベースとした、地域の将来的な発展方向を見据えた先端的なテーマ

・地域産業を支えるソフトウェア技術

○共同研究の進め方

・地域内外の企業及び大学等の研究員、地域住民などが集まり、研究交流会を組織する。

・研究交流会は、拠点施設を中心に活動する。

・研究交流会では、地域産業の技術的課題などについて自由な意見を取り交わすとともに、その解決策を検討し、研究テーマを掘り起こす。

・想定する研究スタッフは、テーマについて技術的な支援が可能な地域内外の住民、企業の技術者、テーマについて知識を持つ地域内外の住民、企業及び大学等の研究員などとする。

 

イ 人材育成機能

地域内外の各種団体が、拠点施設にて、技術人材・経営人材のレベルアップ、研究開発人材の育成を図る研修を行う(地域内外の各種団体とは、地域住民、地域内外の企業や協同組合等の産業団体、研修事業実施機関などをいう)。

研修の大きなメリットは、知識の習得の他に、研修を通して図られる交流により、人的ネットワークが形成され、産業動向などの各種の情報が得られることにある。このため、研修は、以下にあげるような「全国人材育成・交流方式」にて行う。

拠点施設の役割としては、地域内外の研修対象者(住民・研究者・技術者等)に対する研修活動の広報、各種団体の行う研修事業の拠点施設への誘導が考えられる。また、研修施設(スペース)について、低廉な料金もしくは無料で貸与する。

○「全国人材育成・交流方式」

当地域の団体等で行われている研修だけではなく、他地域の団体などの研修も拠点施設に誘導する。これにより、研修対象が全国的に広がり、地域内外の人的ネットワークの形成が促進されるとともに、地域間の技術融合の可能性が生じる。

研修対象者として、地域内外の住民、地域内外の企業の従業員(研究者、技術者、経理担当職員など)を想定する。

 

 

 

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