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第3節 NPOとしての役割

 

このように1年間の活動を通して分かってきたことは、NPOとして活動をすればするほど財政的には逼迫すると言うことである。今年度についてはそれでも日本財団との出会いで民間の市民団体としては異例の扱いをしていただき、年17,000,000円の委託契約が結ばれ、ただ助成金を交付されるだけのものではなく共同事業を推進していく相手として位置付けられた。これだけの金額を委託されそれでも財政が逼迫したのは、やはり第2節でも述べたように地元の経費負担がなかった22ヶ所のキャラバンの経費が全面的にJoy Projectの負担で行われなければならなかったことに由来すると思われる。

 

第4節 NPOとしての課題の解決へ向けて

 

結論から言ってしまえば、会員を増やすことである。その為には、第一に当事者自身に自分が本気で動けば世の中が変わっていくと言うことを身を持って体験してもらうこと、1人ではどうにも成らないことでも、何人か集まり政治を動かすノウハウや金銭的な支援を取り付ければ、何とか成ることを分かることであると思う。自分が使いやすい自動車が欲しければ自分が何とかするのが当然のことなのではないだろうか。第二に、Joy Projectが当事者を活動に巻き込んでいくこと、たとえば、会員の方々にJoy Projectの最新の情報を提供できたり、会員の意見がJoy Projectの動きに反映されているということなどを実感させることなどが考えられる。そういうことを通して自分も一緒に参加しているという実感を持ってもらえることの二点が必要と思う。
また、幸いなことに来年度に関しても日本財団との共同事業が決定しているが、社会や個人の福祉に対する意識の未成熟を感じるにつけ、会計の立場としては安心してNPOの活動ができるように願わずにはいられない。
来年度は、JOY−VANの価格の問題、免許制度の問題、助成金の問題、固定装置の規格化の問題、自動車の国産化の問題等を1つ1つクリアにしていく中で会員が増えたり、寄付して下さる方々が増えていくように、スタッフの一員として活動していきたいと思う。

 

 

 

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