第3節 全国30ヶ所のキャラバン
ジョイスティックコントロールカーの周知活動を行ううちに全国から問い合わせが多数入り、キャラバンの会場が増えたことは第3章でも述べた。ここでは前述した岩手県盛岡市のキャラバンと長野県松本市のキャラバンを除く30ヶ所について報告をさせていただく。
全国から次々に来るキャラバンの依頼にできるだけ対応していくことが事務局で確認された。新聞、雑誌、テレビで、あるいはインターネットでキャラバンを知った人から電話で依頼をされたり、あるいはキャラバンの会場で「私の町にも来てください」と依頼をされたり、例を挙げればきりがないぐらいであった。
ほとんどは招待のための予算組みができないような団体や個人であった。無下に断ることはできないし、かといってキャラバン会場を増やせぼ予算的に厳しくなるのは当然のことであった。そこで、妥協案として年度当初に予定をしていた10ヶ所の会場に近い場所、あるいは往復の行程で寄れる場所のみ新たにキャラバン会場として設定することにした。結果的に32ヶ所が増えたが行程のなかで寄ることができそうもない地域はお断りしての32ヶ所であった。当然実費の負担を申し入れ、協賛を募る方法も連絡したが上記の盛岡、松本以外は思うように資金が調達できなかった。資金が調達できない所でも、今年度その時期をはずしてしまうと次にいつジョイスティックコントロールカーを見せられる機会がもてるか全く予定が立たないし、実際に車を見せたときの効果をキャラバンで何度も見てきているだけに金銭的に多少の無理をしてもキャラバンの会場に設定することにした。
キャラバンを依頼した団体はほとんどが障害を持つ人たちが中心となる団体で、当日のキャラバン会場はスーパーの駐車場、銀行の駐車場、あるいは福祉施設の駐車場など様々であった。障害者団体以外にも千葉県の飯岡町からは町の健康福祉まつりに呼ばれたり、大学の福祉サークルから大学祭に呼ばれたケースもあり内容は本当に様々であった。
様々な団体に呼ばれたと言うことは、ジョイスティックコントロールカーが短期間のうちに広域に周知された証であり、全国キャラバンの成果でもある。
第1節で報告した10ヶ所の会場は自動車教習所という閉鎖された空間でシンポジウムを行うなど特定の人しか参加できない雰囲気があったと思われる。しかし、スーパーの駐車場、町主催の健康福祉まつり、大学祭などは多種多様な人々が来場して本当の意味で社会に対してメッセージができたように感じられた。また、シンポジウムという形式ではなかなか懇談的に話すことができないようであったが、30ヶ所のキャラバンは懇談的に1人1人とゆっくり時間をとって話すことができるなど小さなキャラバン故の良さも大いに感じられた。
以下、30ヶ所についてのレポート参照
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