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実施計画

 

車両登録標(ナンバープレート)の取得については、相手(関東運輸局及び八王子陸運事務所)のある作業という性格上、確実な時間的プログラム設定は困難なため、進捗状況に合わせて実施。
一方、全国キャラバンについては当初10ヶ所を年間計画に組み込んだ。
当初計画は以下の通りである。
5月12日 宇都宮・・ 共立自動車学校
5月18日 仙台・・ 奥羽自動車学校
6月1日  美唄・・ 美唄自動車学校
6月29日 熊本・・ 中央自動車学校
9月21日 高知・・ 高知県自動車学校
9月28日 広島・・ 広島県自動車学校
10月26日 大阪・・ 松筒自動車学校
11月9日 名古屋・・ 東名自動車学校
11月16日 金沢・・ 東部自動車学校
12月7日 那覇・・ 牧港ドライビングスクール

 

実施結果

 

車両登録標(ナンバープレート)の取得については、大方(渡邊を除く事務局スタッフ及び関係者)の予測を裏切り、4月28日に完了。
車両登録票は『八王子 33 は 14−62』である。
困難を予測された問題点は二つある。一つは、運転席の取り外しである。1995年の大幅な規制緩和時においても運輸省がこだわり続けた経緯があるので、大きな課題として考えていた。もう一つはジョイスティックコントロールドライブシステムである。これは全く前例がないので予測そのものが立たない。事務局の中でも「車検時に一気に認可を取る」か「ジョイスティックは次の課題として、まず車検を取ることを優先するか」意見が分かれた。
渡邊には、過去30年余の経験から、健常者に近い人たちから福祉の恩恵を受け社会参加を果たし得た事実と、全身性重度障害者が常に後回しにされてきたという事実認識が強い。だからこそジョイスティックコントロールドライブシステムにこだわってきたのであり、車両に備わっているジョイスティックコントロールドライブシステムを、規制を突破する困難さをもって認可を先送りすることは容認できなかった。渡邊にとって『JOY−VAN』はジョイスティックコントロールドライブシステムが備わっているからこそ価値がある。
1997年4月28日、わが国で初めて『ジョイスティックコントロールカー』(電動車椅子のまま乗り込み、自分で運転できる車)が運輸省の認可を得た。

 

 

 

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