日本財団 図書館


■事業の内容

船舶に積載される危険物は、新規のものが次々に出現しており、その性状や港湾における事故時の応急処置等に関する情報の整備・更新は社会的に重要な課題となっている。
 この調査研究は、IMOのIMDGコード、危険則及び危険物告示が平成9年1月に改正される予定であり、これを受けて港則法の危険物の見直し(選定)を行う必要があり、専門家の意見を踏まえつつ、港則法上の危険物の選定を行うための調査研究を進めることを目的として実施した。
(1) 調査の方法
 [1] 委員会による検討
   学識経験者及び海事関係者からなる「船積危険物の性状・情報管理等に関する調査研究委員会」を開催し、調査研究を行った。
  a.委員会の開催
   (a) 第1回委員会を開催し、次の検討を行った。
    イ.事業計画書の検討
    ロ.港則法上の危険物の情報管理(コーディングシートの作成)
   (b) 第2回委員会を開催し、次の検討を行った。
    イ.危規則危険物より港則法危険物の選定
    ロ.データ・コーディングシートの検討(問題点との対応)
   (c) 第3回委員会を開催し、次の検討を行った。
    イ.危険物選定基準表改正案
    ロ.液体化学薬品の選定方法等の問題点
    ハ.報告書(案)の検討
  b.事前検討会の開催
   (a) 第1回検討会を開催し、次の検討を行った。
    イ.事業計画書の検討
    ロ.事務局作成コーディングシートの記載内容の検討
   (b) 第2回検討会を開催し、次の検討を行った。
    イ.危規則危険物より港則法危険物の選定
    ロ.データ・コーディングシートの検討(問題点との対応)

(2) 調査項目及び内容
 [1] 港則法上の危険物の選定
   平成9年1月にIMDGコードの改正に当たり、IMDGを受けた危規則及び危険物告示も改正することになった。港則法上の危険物は危規則の危険物のうち性状、危険の程度等を考慮し、選定されることとなっており、この考慮の際の判断材料として、専門家の意見を取り入れ、調査検討の上、選定を行った。

 [2] 港則法上の危険物の情報管理(コーディングシートの作成)
   平成3年3月以降新たに港則法上の危険物に選定(削除)された新規物質等について、性状、取扱い等の情報を整理し、現場港長業務実施上の資料とするため、海洋情報システムに入力する専門家の知識等を基にし、コーディングシートを作成した。

 [3] 港則法上の危険物の選定基準の見直し
   港則法上の危険物の選定基準については、昭和54年度の当協会の危険物選定委員会において検討され設定、その後、数度改正されたところであるが、新規危険物の出現、危険物の性状の複雑さ、取扱いの難易さ等から当該選定基準にはいくつかの問題があるので、現在の選定基準の見直しを行った。

(3) 報告書の作成
  研究結果をとりまとめ、報告書を作成した。
 [1] 規 格:A4判
 [2] 部 数:200部
 [3] 配布先:関係官庁、委員、関係団体、教育機関等

(4) 委員会の開催
  船積危険物の性状・情報管理等に関する調査研究委員会      3回
  船積危険物の性状・情報管理等に関する調査研究委員会事前検討会 2回
■事業の成果

本調査研究では、船舶に蓄積される危険物の新規物質等について、性状や取り扱い等の情報を整理し、コーディングシートの利用により港湾における事故時の応急処理等に関して極めて有益であると期待できる。
 また、港則法上の危険物の選定基準の見直しにより今後、新規物質が出現した際にも効率的に港則法上への危険物に選定する場合、極めて有益であると期待できる。





日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION