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■事業の内容

講習による指導及び資格検定を通じ、資格者としてふさわしい知識・技量を備えた舶用機関整備士を育成するとともに、舶用機関整備業界の技術水準の向上を図るため、今年度は、以下の事業を実施した。
(1) 資格検定
 [1] 新規講習会
  a.1級舶用機関整備士新規講習会
   舶用機関の整備技術に関し、高度な技能・知見を有するリーダーの育成を目的として、今年度から新しく1級舶用機関整備士の運用を開始することとなり、2級舶用機関整備士資格所得者で受験資格を満足するものを対象に、新規講習会を実施した。(詳細は別紙2−1)
   (a) 開催場所  全国7地区
   (b) 講習期間  3日
   (c) 講習内容  整備工事の管理、整備技術及びトラブルシューティング等について
   (d) 講 師   エンジンメーカー等に依頼及び一部当会職員
   (e) 受講者   308名

  b.2・3級舶用機関整備士新規講習会
   新たに3級を受験するもの又は3級資格者であって2級資格を受験するものを対象に新規講習会を実施した。(詳細は、別紙2−2)
   (a) 開催場所  全国9地区
   (b) 講習期間  2級・3級各2日
   (c) 講習内容  舶用機関の整備技術について
   (d) 講 師   エンジンメーカー等に依頼及び一部当会職員
   (e) 受講者   2級 137名、3級227名 計 364名

  c.検定試験
   新規講習会受講者に対し、1級については学科試験、実技試験及び面接を、2級については学科試験及び実技試験を実施し、合格者には、その技量を証明する資格証明書を交付した。(詳細は、別紙2−3)
   (a) 学科試験
    イ.開催場所  1級全国8カ所
           2・3級全国9カ所
    ロ.試験期間  1日
    ハ.受講者   1級 302名
           2級 136名
           3級 238名
           合計 676名
   (b) 実技試験及び面接試験(1級のみ)
    イ.開催場所  1級 2カ所(滋賀県長浜市及び神奈川県相模原市)
           2・3級 全国9カ所(学科試験と同日開催)
    ロ.試験期間  1級 1日(長浜市 3日間、相模原市 4日間)
           2・3級 1日  
    ハ.受講者   1級 211名
           2級 136名
           3級 238名
           合計 585名

  d.更新講習会
   本資格制度は、4年で更新することになっているため、平成4年度に資格を取得した2級及び3級整備士に対し、技量のレベルアップを図るため、更新講習会を実施した。(詳細は、別紙2−3)
   (a) 開催場所  全国11地区 15会場
   (b) 講習期間  2級・3級各1日
   (c) 講習内容  高速機関の整備取り扱い、最新のディーゼル機関及び補機関等について
   (d) 講 師   エンジンメーカー等に依頼及び一部当会職員
   (e) 受講者   2級 235名
           3級 166名
           合計 401名

(3) テキストの作成
  1級舶用機関整備士の運用開始に伴い、従来の指導書を全面的に改め、1級・2級及び3級を別冊として次のとおり作成した。
  a.規 格   A4版
  b.部 数   1級指導書  500部
         2級指導書  300部
         3級指導書  350部
          合計   1,150部
  c.配布先   受講者、関係官庁、講師等
  d.内 容   
   (a) 1級指導書(目次)
    第1章  整備とその基本
    第2章  整備工事
第3章  ディーゼル機関各部及び付属装置の整備
    第4章  燃料・潤滑油・冷却水
    第5章  据え付けと運転
    第6章  運転状態の診断とトラブルシューティング
    第7章  軸系装置及びプロペラ
    第8章  船舶安全法
    補足資料 整備関連基礎事項
      1.ボルトの締め付け
      2.機関用軸受けについて
      3.振動
      4.材料の強度と破壊
   (b) 2級指導書(目次)
    第1章  ディーゼルエンジンに関する基礎知識
    第2章  ディーゼルエンジン及び付属装置の構造機能と分解整備
    第3章  軸系装置及びプロペラ
    第4章  図面の見方、書き方及び材料
    第5章  船舶安全法
   (c) 3級指導書(目次)
    第1章  ディーゼル機関の基礎知識
    第2章  ディーゼルエンジンの構造・機能と整備
    第3章  軸系装置及びプロペラの概要
    第4章  計測検査器具の取り扱い・検査方法
    第5章  船舶安全法
■事業の成果

近年、船舶へのコンピューター、エレクトロニクス技術等の導入に伴い、舶用機関の高度化の進展にめざましいものがあり、舶用機関整備業界に期待される役割は、質料ともに年々高まっており、舶用機関整備技術者の対しより高度な技術及び専門知識が求められている。
 このため、舶用機関整備技術者の育成及び技量向上を図ることが今後益々重要になっている。
 特に、業界が長い間念願としていた舶用機関整備士の船舶検査制度の中での活用が、サービスステーション制度として平成9年1月からスタートしたが、この制度で要求されている人的要求は、当会が実施している舶用機関整備士制度を期待しており、年度前半には、1級舶用機関整備士の検定に着手し、全国で92名を1級整備士として認定した。
 年度後半には、従来行っている2・3級の新規講習会及び検定試験を、また、有資格者で資格の更新時期が来ている者には、技量を確認するための更新講習会を実施した。
 これらの事業を通じ、業界全体の整備技術が向上し、業界の振興に寄与するとともに、船舶の安全航行に貢献し、海難防止にも寄与すると確信する。





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