
■事業の内容
(1) ミャンマー国(鉄道近代化セミナー) [1] ミャンマー国鉄の現状 a.ミャンマー国鉄は、3,653kmの路線網を有しているが、複線区問は408kmに過ぎず、すべての路線が非電化、非自動信号である。 b.1993年の旅客輸送は5,860万人、貨物輸送は330万トンであり、輸送量の国内におけるシェアは旅客44%、貨物14%で、旅客は横這い、貨物は増加傾向にある。 c.基幹道路の整備状況が悪く、鉄道の潜在需要は大きいものと思われるが、鉄道の維持管理も不十分で運転事故や列車遅延が多発している。 d.このため、ミャンマー国鉄は、輸送力の増強、鉄道に対する信頼度の回復など鉄道の近代化に取り組んでいる。 [2] セミナー開催日 a.平成8年10月16日 [3] セミナー開催都市 a.ヤンゴン市 [4] 発表 a.ミャンマー側から2名の講師がミャンマー国鉄の現状と問題及び開発言十画について発表した。 b.日本側からは5名の講師により、日本国鉄の民営分割及びその後の経営改善をはじめ、運転、施設、信号・通信及び車両の各分野における技術開発、近代化等について発表した。 (2)カンボジア国(鉄道近代化セミナー) [1] カンボジア国鉄の現状 a.カンボジア国鉄は、603kmの路線を有しているが、ほとんどの線区は国内の治安上の混乱のため放置されていた。 b.1993年には全線で運行が再開されたが、貧弱な軌道や治安の問題から日中のみ低速度でわずかな本数の列車が運行されるに過ぎなかった。 c.しかしながら、国内の安定とともに、鉄道施設も急速に整備されつつあり、4段階の軌道整備計画も提案されている。 d.また、1993年後半には、フランスが軌道整備等のために170万ドルの経済支援を行っている。 [2] セミナー開催日 a.平成9年2月26日 [3] セミナー開催都市 a.プノンペン市 [4] 発表 a.カンボジア側から2名の講師がカンボジア国鉄の現状と問題点及び開発計画について発表した。 b.日本側からは5名の講師により、日本国鉄の民営分割及びその後のJR各社の経営改善の状況をはじめ、運転、施設、信号・通信及び車両の各分野における近代化等について発表した。
■事業の成果
(1) ミャンマー国(鉄道近代化セミナー)
[1] ミャンマー国鉄では、施設の維持管理が不十分なため輸送力低下を生じており、海外からの資金と技術協力を熱望している。
[2] 本セミナーには、第二書記をはじめ政府関係者も含めて90名以上の参加があり、発表後に熱心な質疑応答が続いた。
[3] ミャンマー国の鉄道近代化への意欲とそれが遅々として進まない悩みが伺われた。
[4] 今後、日本から技術協力を期待する声が多く、有意義なセミナーであった。
(2) カンボジア国(鉄道近代化セミナー)
[1] 今回のセミナーは、公共事業運輸大臣をはじめ約80名の出席があり、カンボジアの将来の鉄道の目標を示したうえで、極めて有益であった。
[2] また、カンボジア国鉄との討議を通じ、鉄道のマスタープラン作成の必要性が確認された。
[3] 我が国のODAの一つとして、カンボジア国鉄マスタープラン作成を検討する意義が明らかになったことも極めて有意義であった。
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