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■事業の内容

〇 EDI協定書に関する調査・研究
  国連ECE/WP.4の1995年3月会期において、EDI取引における法的諸問題に関する検討作業の一つの成果として、「電子データ交換に関する交換協定書の商業的使用」の採択が行われ、同年6月、「国連ECE勧告第26号」として交付されたので、この勧告のわが国における実施法策(わが国貿易関係業界におけるデータ交換当事者がEDI協定書の作成・実施に際して指針として使用する「実施ガイドライン」)の作成・検討作業を進めた。

〇 流通性書類に関する調査・研究
  国連ECE/WP.4では、EDI化の進展に伴う流通性書類(船荷証券等)に関する法的・技術的問題について、法律問題ラポーターを中心として、運輸、金融、セキュリティ等関係各分野の専門家を結集した特別グループを設置して、検討作業を進めているので、これらの検討状況をフォローするとともに、EDI取引に対応したわが国の商取引のあり方について調査・研究を行い、わが国貿易関係業界における事務処理の指針となるべき実施法策の策定について検討を行った。

 [1] 調査方法
  a.貿易、海運、海貨、銀行、保険及び情報処理の専門家、学識経験者で構成する特別委員会において調査・研究を行った。
  b.次のように委員長を海外に派遣し、情報・資料の収集等を行った。
   (a) 派遣先   都市名(国名) ジュネーブ(スイス)
           会議名     国連ECE/WP.4
   (b) 派遣員   EDI制度手続簡易化特別委員会の委員長
   (c) 派遣日数  9日(8泊9日)
c.派遣用務
   (a) 国連ECE/WP.4会議への出席
     ・特別委員会における調査・研究の成果の積極的具申
     ・国連ECE/WP.4における「流通性書類」に関する法的諸問題の検討状況のフォロー
   (b) 情報収集
  d.調査対象
   (a) 国連ECE/WP.4における「流通性書類」に関する検討取組み
   (b) 「流通性書類」に関する書類のプロジェクトの動向
  e.調査項目
   (a) 「流通性書類」のEDI化の可否
   (b) 「流通性書類」に関する書類のプロジェクトの動向
  f.報告書作成
   (a) 部 数   300部
   (b) 規 格   A4版
   (c) 配布先   賛助会員、関係官庁、関係業界等
■事業の成果

(1) EDI協定書に関する調査・研究
  モデル交換協定の「実施ガイドライン」作成に際しては、技術的側面からの考察を主体にそのドラフト作成・検討作業を行い、それを基に、貿易関係手続きに関連した留意事項(国連勧告によるモデル交換協定書を貿易関係業界における業務処理の現場において実施することとした場合に想定される留意事項)等を補足するという方法で検討作業を進め、モデル交換協定書の全条項について遂条解説を加える形式の「実施ガイドライン」を作成した。
  また、国連勧告第26号のオリジナルは英語で作成されているので、わが国における啓蒙・普及を図るために、その正確な和訳資料の作成・検討作業を進めた。

(2) 流通性書類に関する調査・研究
  国連ECE/WP.4会議への出席等を通して収集した資料・情報を基に、貿易取引における流通性書類を巡る諸問題についてレビューを行い、流通性書類のEDI化への取組みの経緯等について検討・評価を行うとともに、EC委員会からの資金提供を受けて進められた流通性書類プロジェクト「MANDATE」の実施結果についての検討・評価を行った。

(3) 調査・研究の成果の周知等
  調査・研究の成果については、『セミナー』や『研修会』の実施などの機会を利用して、その周知を図った。
  これらのことを通じて、わが国貿易関係業界が必要としている貿易手続面におけるEDI化の法的諸問題について内外の最新情報を提供するとともに、貿易関係業界がグローバルな業務展開を推進するに当たり必要になるEDIによる貿易関係手続きの法的側面を指示することができた。





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