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■事業の内容

大規模油流出事故への対応は、関連する複数国の国際的な協力が不可欠であり、すでに国際海事機関(IMO)の指導と国連環境計画(UNEP)の支援により海域国際協力体制の整備が進められているところである。アセアン海域においては、アセアン6ヶ国の地域国際協力体制の構築がOSPAR計画の下に平成5年5月に合意され、日本財団等の財政支援により実施されたことは国際的にも高く評価されている。今後、この分野における地域協力体制の拡充がますます要請されることは容易に予想され、エネルギー確保の面で恩恵を受けているとともに、アジアにおける先駆的な立場にあるわが国が事故の発生する蓋然性が高い海域を中心に、アジア海域の海洋環境保護のために積極的に取り組んでいくことが重要である。
 本事業は、こうした情勢を踏まえ、今年度シンガポールが主催するOSPAR管理委員会へ参加して、わが国がOSPAR計画で供与した油防除資機材等の運用状況を調査するとともに、より有効な活用を含め、各国の油防除能力のより一層の高度化の検討を行い、今後のアジア海域における海洋汚染防止国際協力の推進に寄与するため実施した。
(1) 調査の方法
  運輸省運輸政策局環境・海洋課海洋室の指導のもとに、海上災害防止センター等の協力を得て実施した。
(2) 調査項目及び内容
 [1] OSPAR資機材等の運用状況調査等(OSPAR管理委員会参加)
  a.調査時期:平成8年8月
  b.調査場所:シンガポール
  c.調査員数:協会役員及び職員及び職員各1名
 [2] 関連するプロジェクトの調査及び資料の収集・整理
(3) 報告書の作成
  研究結果を取りまとめ、報告書を作成した。 
 [1] 規 格:A4判
 [2] 部 数:100部
 [3] 配布先:関係官庁、関係団体
■事業の成果

本事業を通じ、主としてOSPAR計画で供与した油防除資機材等の有効活用方法を中心とした、わが国のオイルルートの沿岸関係国における油防除能利欲のより一層の高度化の検討を行ったことにより、沿岸関係国の油防除体制の高度化と地域国際協力体制の構築・促進に寄与するとともに、今後わが国政府及び本協会並びに他団体が実施することとなるであろう、海洋汚染防止に関する関連プロジェクトを順調に導くことに寄与することができるものと思われる。





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