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TRUST FOR

URBAN

ECOLOGY

トラスト フォー アーバン エコロジー〔T.R.U.E.〕

 

●視察地:TRUST FOR URBAN ECOLOGY

●応対者:所長 Mr Clifford Davy

 

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トラスト・フォー・アーバン・エコロジー(以下、T.R.U.E.)は、失われた都市自然の再生と都市の中にわずかに残された自然の保全・拡大を目指している。T.R.U.E.は、ロンドン市内に3つのエコロジカルパーク(都市生態公園)を有しており、その建設から管理運営までを地域住民、学校、子どもたち、趣旨に賛同するボランティアなどと一緒に行っている。

このエコロジカルパークは、都市住民が身近な場所で自然に触れられるオアシスであると同時に、都市住民の環境教育の場としての機能を果たしている。

 

所在地

●英国における今世紀最大の開発プロジェクトであるロンドン郊外のドックランド再開発地区の一画に、T.R.U.E.の事務所と3つのエコロジカルパークがある(図8)

 

目標

●T.R.U.E.は、次の5つを目標として活動を行っている。

1]都市の生態系や自然保護に関する知識や専門技術を発展・普及させる

2]都市における様々な自然を保全・創造し、拡大していくための方法を開発する

3]一般の人が、都市自然に対して興味を持ち、その価値を評価するように示唆する

4]都市住民が、都市の中で健康、娯楽、教育といった活動を営むことができるような機会や場所を創出する

5]都市緑地の管理運営、創造、デザインに関する情報、アドバイス、専門知識の提供を行う

 

設立年度

●1977年

 

設立の経緯

●1960年代から70年代にかけて、英国人の多くは都市生活者となり、ストレスを抱える人が増えていた。そのため、週末に郊外の自然に触れに行くという伝統的なスタイルだけではなく、生活空間である都市の中で自然に触れられる場所を求める声が強くなった。また、ロンドン内には数多くの学校があるものの、子どもたちが生物や植物を実際に見たり触れたりしながら、自然環境を学べる場所が少ないことも問題視されていた。

●このような社会背景のもと、1977年、エリザベス女王陛下戴位25周年の記念祭が開催された際に、タワーブリッジの近くにあった約2エーカーの荒廃地(以前はトラックの駐車場)を国内最初のエコロジカルパーク(都市生態公園)として整備する計画が持ち上がった。この時、その運営団体としてエコロジカルパーク・トラスト(現 T.R.U.E.)がマックス・ニコルソン氏〔Mr Max Nicholson〕を中心に設立された。

●このエコロジカルパークは、“ウィリアム・カーティス・エコロジカルパーク”〔The William Curtis Ecological Park〕という名称で、エコロジカルパーク・トラストと多くの学校団体やボランティアの手によって整備された。このエコロジカルパークは、1985年に閉鎖されるまで、住民ボランティアにより管理運営が行われた。

 

 

 

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