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単に休止又は廃止の日から30日以内に届出をすればよいこととなっている(法19の3-?)。自動車航送貨物定期航路事業者及び旅客不定期航路事業者の場合は、事業を廃止したときにのみ廃止の日から30日以内に届出をすればよいこととなっている(法22)。
2) 事業の停止及び免許又は許可の取消
? 運輸大臣は、一般旅客定期航路事業者、特定旅客定期航路事業者、自動車航送貨物定期航路事業者及び旅客不定期航路事業者が次の4つのいずれかに該当するときは、運輸審議会にはかったうえ、当該事業の停止又は免許若しくは許可の取消をすることができる(法16、法19の3-?、法23の2)
第一に、本法若しくはこれに基づく処分又は免許、許可若しくは認可に附した条件に違反したとき。ここで海上運送法に基づく処分とは、第19条のサービスの改善及び輸送の安全の確保に関する命令等諸々の命令がその典型的なものである。免許等の条件については、公共の利益を確保し、又は免許等に係る事項の確実な実施を図るため必要な最小限度のものに限り、且つ、船舶運航事業者に不当な義務を課することとならないものに限り認められている(法23の5-?)が、これの違反も免許等の取消を受けることとなる。
第二は、船舶安全法又は船舶職員法に違反したときである。両法はいずれも、船舶運航の安全確保に大きな関係を有するものであり、それぞれ罰則を有しているが、本法の規定は、事業者にとってより不利益である免許等の取消を行うことにより、両法の違反行為の防止に一層資するものである。
第三は、正当な理由がないのに許可又は認可を受けた事項を実施しないときである。これは、許可等の制度を導入した趣旨からすれば当然のことである。
第四は、本法第5条の欠格条項に該当することとなったときである。そもそも欠格条項に該当する者は、免許を受けることはできないが、免許後にこれに該当することとなる場合に備えて本規定を置いたものである。
? 上述のほかに、自動車航送貨物定期航路事業者及び旅客不定期航路事業者に対し、運輸大臣は、当該事業者が正当な理由なく1年以上旅客(旅客不定期航路事業者に関してのみ)又は自動車航送をしなかったときは、運輸審議会にはかったうえ、当該事業の許可を取り消すことができる(法23)。これは、1年以上運送行為を行わなかった者は、事業遂行の意思が乏しいと判断できるので、新規参入者に道を開く必要があるからである。

 

 

 

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