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第6節 命令権

1) 事業計画に定める運航の確保命令
運輸大臣は、一般旅客定期航路事業者が事業計画に定める運航を怠っていると認めるときは、事業計画に従い、運航すべきことを命ずることができる(法14-?)。この命令をしようとするときは事業者に対し、行政手続法の規定に従い、弁明の機会を付与しなければならない(法14-?)。これは、運航を「怠った」といえるか否かの判定を慎重に行わせようとするものと考えられる。
2) サービスの改善に関する命令
一般旅客定期航路事業は、高度の公益性を有し、しかも独占性を与えられた事業であるため、利用者の利便を阻害している事実があるときは、運輸大臣は、運輸審議会にはかり、サービスの改善のため一定の事項の変更を命ずることができる(法19-?)。命令の対象事項は、旅客、手荷物及び小荷物の運賃及び料金並びに自動車航送に係る運賃及び料金、運送約款並びに事業計画である。
3) 輸送の安全確保命令
運輸大臣は、一般旅客定期航路事業者、特定旅客定期航路事業者及び旅客不定期航路事業者の事業について輸送の安全を阻害している事実があると認めるときは、当該一般旅客定期航路事業者等に対し、輸送施設の改善、事業計画の変更、運航管理規程の遵守その他の輸送の安全を確保するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる(法19-?、法19の3-?、法23の2-?)。
本項は、昭和45年に追加されたもので、事業の開始後における事情の変更により輸送施設、事業計画等の改善の必要が生じた場合において、旅客輸送の安全を担保するための措置である。事業者に法令違反の事実があるときは、本法第16条による事業の停止等又は船舶安全法第12条による船舶の航行停止を命ずることも可能であるが、旅客航路事業者の公共性にかんがみ、船舶の運航を停止させることなく必要な是正措置をとらせようとする趣旨である。
4) 運航管理規程の変更命令等
運輸大臣は、一般旅客定期航路事業者等の作成した運航管理規程(第2章 第3節参照)が、本法施行規則第7条の2の基準に適合しないと認めるときは、当該一般旅客定期航路事業者等にこれの変更を命ずることができる(法10の2-?、法19の3-?、法23の2-?)。

 

 

 

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