

2月には3人のISSJソーシャルワーカーがフィリピン政府社会福祉開発省(DSWD)のメトロ支部を訪れ、今日までかかわったケースについての問題点を話し合った。国際養子縁組委員会(ICAB)も協力的で、忌憚なく意見の交換を行い、今後の国際養子縁組の援助に向けて、建設的な結果が得られた。同時に今後ISSJを通じて送還したケースに対しフィリピン政府社会福祉開発省(DSWD)が経過観察をし、報告書をISSJに提出する事が了解された。
5.日本語教育
ISSJでは日本語講師の資格を有するソーシャルワーカーがフィリピン人ソーシャルワーカーへの日本語教育を行っている。1996年度における日本語教育は、前年度の継続という形で2名を対象に行った。1995年10月から1996年2月までに入門レベルの学習を終了していたため、9月まで初級レベルの授業を週一回(1.5時間)続けた。10月には、この二人は帰国し、12月に新ワーカー1名が着任したため、97年1月以降は、この新ワーカーを対象に授業を行なった。
ISSJにおける日本語教育の目的は、フィリピン人ソーシャルワーカーの日本在任期間中におけるコミュニケーション能力の向上である。その際の留意点としては、以下の諸点が上げられる。
?将来像として、日英タガログ語を専門職として使えるフィリピン人ソーシャルワーカーの育成を考えることから、たとえ入門・初級段階の日本語学習であっても、それが将来の高いレベルの日本語学習に無駄なく効果的に繋がっていくこと
?共通語としての英語を活用すること
?学習者は成人であるため、学習活動を考える際には、大人の興味対象・行動様式から外れないようにすること
?ISSJのスタッフに、生きた教材として学習活動に協力してもらうこと
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