
当該年度はソーシャルワーカー2名を現地に派遣して、デイケアセンター周辺地域住民の生活を調査した。具体的には、センターに来所する子どもの中から無作為に抽出した85名に個別面接を行い、児童票を作成した。また、保護者4名にも同様の面接をした。これらは、今後のセンターの活動を展開していく上で、基礎資料となる。一方、現地で活動しているカンボジア国内外のNGOの集まりに参加し、各団体がどのような問題をもっているのかを話し合い、これからの協力関係を確認した。
[ベトナムにおける女性自立援助]
このプログラムは外務省NGO事業補助金をうけて行った。ベトナム・ホーチミン市第8地区は貧困地域でトイレや水道のない家が多く汚れた運河の水上生活者も多い。親や養育してくれる親族を持たない子どもたちの中には売春や麻薬に染まっている者が多くいる。

そうした少女、少年を自立させるために補導員を育成するプログラムと美容師の育成プログラムを開始した。
当該年度に育成した52名の補導員はストリートチルドレンになって麻薬や売春に走る子どもたちの指導を行っている。
さらに2か所に開校した美容師養成プログラムでは現在70名の少女が訓練を受けている。
この二つのプログラムにより子どもたちを売春や麻薬から守ることができるとして、ベトナム政府子ども保護委員会は多くの期待を寄せている。
2.国際養子縁組研究会
当該事業は住友信託銀行社会福祉事業研究開発基金助成金を受けて行った。
日本は国際養子縁組に関する、法的、制度的仕組みがなく、国内で里親、養親など十分に深されることがなく、直接海外に養子として出されるケースがあり、その実態は膕めていない。最近では、国際条約を結んで国際間で子どもの権利を保護し、好ましくない養子斡旋を規制しようという動向がある。
従って、本研究会では国際的な状況を踏まえて、日本の国際養子縁組の問題点を整理し改善すべき点を検討するのが目的である。専門の研究者や実践家に講演を依頼し、内容を国際養子縁組の歴史と現在の動向、国際養子縁組の基本原則と実践を考える価値、最近の
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