3.人的な対応における留意点 1)車イス使用者がターミナル駅を自立的に移動する場合、 a.ビジュアル・サインによって移動経路を常に確認できるとは限らない。 b.困った時に自ら対応するうえで制約が大きい。 ことなどから、人的サービスを受けることができれば負担が軽くなることが予測できる。 2)視覚障害者、聴覚障害者への対応と同様に、案内を専門とする人的サービスについて検討することが求められる。 4.その他の留意点 1)前段でも触れたように、ターミナル駅に来てから鉄道を利用できないことがわかるのでは遅すぎる。事前情報が多いほど駅を利用しやすいのは明らかである。 2)事前情報を提供するシステムを充実させることについて検討が求められる。 3)車イス使用者特有の情報ニーズに応える事前情報内容として、 a.一定範囲の都市圏内の、車イスで利用できる駅。 b.ターミナル駅の昇降設備の位置。 c.ターミナル駅の車イスで移動できる範囲、 d.ターミナル駅の駅出入口・鉄道のりば間の車イスによる移動経路 e.ターミナル駅の鉄道毎の運賃表・時刻表 などが考えられる。 e.は他の障害者や利用者一般にも事前情報として機能できる。 5. 高齢者への対応
5-1 情報受容の特徴 1. 身体機能の低下 1)第2章で整理した文献によれば、高齢者の身体機能は特に、体力の回復力、感覚機能、平衡機能、運動能力、記憶力などに著しい低下がみられる。 2)体力の回復力では、夜勤後の体重回復力や疾病からの回復力などの低下が著しい。 3)感覚機能では、視力、眼の薄明順応、聴覚、皮膚感覚などの低下が著しい。 4)運動能力では、特に脚力の衰えが大きい。 車社会でもある現代のわが国では、この傾向は著しいと言えよう。 2.視覚の衰え 1)高齢者の典型的な視覚の衰えには、 a.視力の低下 b.白内障化
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