
2.聴覚特性(大和田健次郎:難聴児の補聴・訓練,第1部、1978、岩崎学術出版社)
1)音の属性 ○音には、高さ、強さ、音色という3つの属性がある。高さは周波数(Hz;ヘルツ)で、強さは音圧(Pa;パスカルまたはμb;マイクロバール)でそれぞれ表わされる。音色は音波の中に含まれる周波数によって決まる。 2)聴力 ○音の大きさと物理的な強さとの関係は、周波数によって異なる。人の耳の感度は、普通3,000Hz近くで最も良く、すなわち小さな音圧で聞える。ある周波数で聞き得る音圧が小さいほど感度が良いわけで、この感度を聴力というのが普通である。 3)音の可聴範囲 ○われわれが聞くことの出来る音の範囲は、周波数と強さによって決まる。 ○聞き得る周波数の範囲は、測定方法、特に検査音源によって異なるが、およそ16〜20,000Hzといわれる。多くの人は最高の音で16,000Hzくらいのようである。 ○最小可聴介限の音圧(最小可聴値)は周波数によって異なり、3,000Hzより高くても低くても耳の感度は悪くなり、大きな音圧にならないと聞えてこない。 ○音を強くしていったときに、音としては感じなくなり、くすぐったい、痛いといった別な感覚になる音の強さを最大可聴介限と言い、この強さは周波数によって変わらず、ほぼ一定である。 ○最小可聴介限と最大可聴介限に囲まれた範囲が音として聞える。この範囲が狭くなるのが難聴である。 
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