
2.開発に向けての基本的考え方<開発理念>
1)バス停に求められる“やさしさ” 人が移動する場合の必須条件として、「安全に移動できる」という事項があげられ、各種の交通機関に対しても輸送に際しての安全性の確保・向上が要求される。 また「安全に移動できる」ということは、必要最小限の“やさしさ”とも捉えることができる。 そのため、人にやさしいバス停整備については、「安全に移動できる」という事項を根底に据えつつ、どのような“やさしさ”を付与していくかという点に着眼して、前述した移動制約者の有する特性について検討・集約すると、バス停を利用する際に求められる“やさしさ”の基本的要素として、 《明瞭性》:見やすさ、わかりやすさ 等 《快適性》:心地よさ、利用しやすさ 等 《容易性》:使いやすさ、移動しやすさ 等 の3点が描出される。 さらに、この3点の“やさしさ”を実現していくための方策検討にあたっては、移動制約者はもとより全ての人がこうした“やさしさ”を享受可能な共通性の高いデザイン面等の配慮として、《ユニバーサル・デザイン》の付与も重要となる。従来、わが国で行ってきたデザイン対応は、障害者に重点をおき配慮してきた経緯があるが、この《ユニバーサル・デザイン》は、その適用範囲を「全ての人」に拡大するというものであり、「全ての人に便益があるデザイン」という考え方に基づき、米国等で様々な検討が進められているものであり、そのコンセプトとしては、 ◆使う人にとり不利にならないという公平性がある ◆フレキシビリティ(自由度・柔軟度)がある ◆単純でやさしく使える ◆不必要なものを省く(視覚に訴えるデザイン) ◆デザインによるアクシデントを避ける ◆ドアの開閉動作等に伴う体力をあまり使わない ◆サイズ・広さが有効である の7点があげられる。
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