
II.現状における問題点・課題
バス停開発に係る現状と動向を検討・把握する際の3つの切り口に基づき、その問題点と課題を抽出・整理すると、次のとおりまとめられる。 1.高齢者・障害者等への対応に係る問題点・課題
近年、生活水準の向上や医療技術の進歩等により人口の高齢化が進展してきたが、その傾向は21世紀に向け、より一層の進展も予測されている。 そのため、高齢者・障害者等にとり重要な"生活の足”となる公共交通機関の整備・拡充や確保が求められているが、その深部には、単にシビル・ミニマムというような量的モビリティの享受だけではなく、その質の高さやバリアフリーへの対応等も要請される。 こうした状況等を踏まえ、バス停に係る問題点・課題に主眼を据え検討すると、次の諸点が抽出される。 ◆高齢者や障害者等の利用にも配盧した標識表示の整備 《問題事項》 ◇バス停の位置・所在がわかりにくく、表示があってもその視認性は必ずしも良いとはいえない ◇表示される文字が小さく、高齢者や弱視者には見にくい・わかりにくい ◇夜間、街灯や照明のないバス停では、表示内容を読むことができない ◇多くの系統が発着するバス停では、表示内容が密になり、不案内な人にはわかりにくい ◇車いす使用者にとり、表示位置が高く、見にくい ◇多くのバス停で視覚障害者に対する配慮(点字表示や音声による案内およびバス停の存在を知らせる誘導・警告ブロック等)が不十分 等 ◆日差しや風雨を遮り、快適にバス待ちができる上屋類の整備 《問題事項》 ◇上屋がないバス停では、炎天下や風雨に曝されながらバスを待つこともある ◇上屋は設置されているが、完全に風雨を防ぐことができないため、杖や荷物を持つ人も傘をささなければならない場合がある ◇交通量の多いところでは、高齢者や乳幼児にとって排ガスに曝されることが苦痛となる ◇車いす使用者がバス待ち時に自転車や歩行者と接触する危険がある ◇降雨時のバス乗降に際して、雨に濡れるケースがある ◇長時間立ったままでバスを待つことが苦痛となる 等 ◆バスの乗降を容易化する方策の導入や車両の改善 《問題事項》 ◇バスのステップの高さが高いため、乗降しにくい ◇手すりの設置が不十分であるため、乗降しにくい ◇ドア幅が狭い車両もあり、乗降が不便なケースもある 等
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