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創立40周年記念
日本フィル
ヨーロッパ公演日記
Vol.1

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ロンドンにて

 

今月より2回に分けて、第3回ヨーロッパ公演の模様をレポートします。第1回目の今回は、初日のロンドン公演から、5月3日のデュイスブルク公演までです。

 

【4月23・24目/ロンドン】いかにもロンドンらしい、薄暗くて寒い、少し雨模様の天気でした。フランクフルトからの飛行機が遅れ、街の中も混んでいて、予定より遅い7時半頃、ホテルに到着しました。長い一日の終わり。疲れ切って、それでもみんなあちこちに散らばっていきました。ホテルは街の東のはずれ。ロンドンタワーとタワーブリッジを見渡す、テームズ川のほとりです。その翌日、広上氏招待によるホームパーティに出かけました。ホスト役の広上氏が「ウェルカム・トゥ・ロンドン」ということで乾杯をし、あとは自由に座ったり寝そべったりしながら雑談や情報の交換をしました。ピザやお寿司など続々と到着して、ごちそうはたっぷり。それに加えて和田薫新婚ご夫婦、現地報道取材陣、ピアニスト小川典子さん、マネージャーなどが、それぞれ差し入れを片手に駆けつけて下さり、本当に賑やかでなごやかな一夜を共に過ごしました。(辻野順子/ヴァイオリン)
市民の背さんからの有形無形の支援と期待をズッシリと背に感じつつ、最初の公演地ロンドンヘ。日本フィルは1986年、1991年と2度ヨーロッパ旅行を行っているものの、ドーヴァー海峡を越えてイギリスに渡るのは今回が初めて。しかし「まだ見ぬ彼の地で何が待ち受けているのか!」…という緊張感はあまりない、旅慣れた私達。
翌24日、いよいよリハーサル。18日に預けた楽器と久しぶりにご対面。輸送中の事故はなかったようで、まずはひと安心。
リハーサルは進む。マエストロ広上の鋭い指示が飛ぶ。ツアー全体の成功を占う。大事な初日を明日に控えて、やたら気合いが入っているところに悪い知らせ。ソリストのガヴリーロフ氏急病のため、合わせはゲネプロのみ。みんなピリピリしてくるのも道理。ロンドン在住の円本フィル指揮者・藤岡幸夫さん、アンコールに演奏する「土俗的舞曲」の作曲者の和田薫さんも合流。心強い!(山田千秋/ヴァイオリン)
【4月25目/ロンドン】インターナショナル・オーケストラ・シーズンヘ初出演、また数々の海外オケを迎える実績を持つロイヤル・フェスティヴァルホールでの公演ということで、かなり緊張のある幕開け。観客動員数もさることながら、楽器に触れるのが約1週間ぶりの楽員たちもいささかナーヴァスな心境に。しかし客席の7割近くも埋めた聴衆に

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打ち合わせ風景(ロンドン)

 

 

 

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