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愛媛県における民間防火組織

愛媛県交通消防課課長 渡部 知彦
愛媛県は、四国の北西部に位置し、北は瀬戸内海に、西は宇和海に面しており、海上には大小200余りの島々が点在しています。
地形は、県を東西に横断する中央構造線を境に、北側はなだらかで沿岸部には平野が多く、南側は西日本一の高さを誇る石鎚山(1,982m)や雄大な四国カルストなど急峻な四国山地が連なり、山地や盆地の多い地形となっています。
総面積は、5,674kmで全国第25位、このうち森林が71%を占めています。
また、海岸線は1,625kmと全国第5位の長さで、南部のリアス式海岸を中心に良港が多く、水産県愛媛の基盤となっています。加えて、そのような海岸沿いでは、みかんの栽培が盛んに行われて括り、生産高においては、全国一を誇っております。
気候は、瀬戸内海沿岸部は、季節風の影響で年間を通じて降水量が少なく、比較的温暖な瀬戸内海型気候となっています。
一方、南西部の宇和海沿岸部や山間部は、降水量も比較的多い南海型気候です。
このような本県における火災状況についてですが、平成7年中に県下で発生した火災は、出火件数755件で前年に比べ37件の減少となりましたが、死者数は27人と前年と変わらず、その半数以上が61歳を超える高齢者となっているほか、負傷者103人(前年比9人増)、損害額2,414,326千円(同721,087千円増)、建物焼損面積39,473m2(同11,941m2増)、林野焼損面積16,823a(同15,438a増)と大規模な林野火災の発生などで概ね増加しております。
出火原因については、総出火件数755件のうち、火気の取り扱いの不注意や不始末による失火が562件で総出火件数の74.4%を占めており、その詳細では、たき火、たばこ、コンロによるものが多く、併せて243件で総出火件数の32.2%を占め、過去5年間でもたき火、たばこ、コンロは常に上位3位までを占めています。
県といたしましては、本年10月に消防防災ヘリコプターの運行を開始し、大規模な災害等に対応していくほか、災害の少ない、安全で住みよい生活環境づくりには、県民一人ひとりの参加・協力が不可欠であるとの視点から、家庭に対する消防教室、防火管理講習会の開催、各種防災訓練の実施等を通じ、防火思想と防火意識の普及啓発に積極的に取り組んでいるところです。
また、地域に密着した民間防火組織である幼少年防火クラブ、婦人防火クラブの育成にも力を入れております。
[民間防火組織の概況]
本県における民間防火組織の概況は次のとおりとなっております。
1 幼年消防クラブ
幼年消防クラブは、平成8年5月1日現在県下に338クラブ結成されており、31,569人のクラブ員が活動しています。
活動としては、街頭防火パレード、消火訓練、避難訓練、独居老人宅訪問等に積極的に取り組んでいます。

 

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