提案要旨 たくましく育てる
高畠輝(元湘北短期大学教授) 乳幼児は自分を取り巻く環境との深い関わりの中で育っていく。環境の影響を受けるだけでなく、環境からの刺激をも積極的に取り入れて環境に適応しながら発育・発達していく。子どもは豊かな可能性をその内に秘めながら育っていく存在である。 乳幼児期の特性と保育内容 日常生活の中で子どもが心身ともに健やかであるということは、子どもの活動の原動力であり、保育の最大目標でもある。目標達成のためには乳幼児期の特性をよく知り保育を進めていく必要がある。 未熟から成熟へ 乳幼児期の最も大きな特性はこの未熟性にある。この時期子どもは未熟なままでなく未熟から成熟の段階へと移行し、心身ともに発育・発達していくのである。この成熟が順調に進むことが健康の条件となる。この時期の子どもは、目に見えて大きくなり育児の最も楽しい時期である。 子どもが順調に育つためには、子どもの発育・発達に適した保育が必要であり、保育内容は子どもの健康生活が基礎をなす。その保育内容は、次のとおりである。 ?衛生的で安全な環境整備 ?健康的な日常生活のリズムと養護 ?発育・発達を促進する保育 子どもの健康はその子のもっている心身の条件だけで決まるものでなく、育てる者の育児観や生活環境も大きく影響する。保育園児にとって身近な環境とは家庭と保育所である。家庭の中だけで育つ子にくらべると、保育園児は感染症の罹患率も高く、ストレスを受ける機会も多い。
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