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2.後方支援機関から

 

吉川明守(国立久里浜養護学校)

 

平成6年度から3年間、「心身障害幼児と家族支援のための講習会」に講師という役割で参加した。初年度は、「子どもの見方と接し方−健康づくりに視点をおいて−」というテーマで、「言葉」をもたない子ども達の健康上の異常をどのような方法でキャッチしていくのかということと共に、学校や家庭で行える健康づくりの方法について紹介した。
受講者は、特殊教育諸学校や幼稚園の教員・保健婦、福祉施設の指導員・保母、保育園の保母、行政担当者、そして障害幼児をもつ家族と、多様な職種・立場の人達であり、どの職種・立場の方達に焦点をあてて話をしたらよいのか戸惑いもあった。
しかし、終了後、多くの方が質疑してくださり、その質疑内容から他の職種・立場の方々の関心のあることや悩みがわかったという受講者の感想が、夜の情報交換会の場で多くあった。多職種・立場の方々が一堂に会することは、このようなことにも利点があるのだという印象をもった。
平成7年度は、「子どもの見方・関わり方−その基本と実際−」というテーマで、「どのような観点をもって子ども達の行動を捉え(見方)、それを手がかりとして子ども達をより望ましい行動に導くことができるか(関わり方)」ということについて、考えていく材料を提供する予定であった。
しかし、受講者の大半が障害幼児をもつ母親であったことや受講者が訴える子どもの「問題行動」の原因が、大人の「願い」や「大人のぺースでの育児」によるものではないかと考えられるものが多かった。そこで援助される側の人として、3種類の疑似体験をしていただく内容に変更した。「こんなことをされたら怒るのは無理がない」とか、「こんなことを要求されたらやる気が出てこないのは無理がない」とかいう言葉が飛び交い、また、「うちの子の場合、こんな時こうするとうまくいくことが多いよ」、「なるほど、そうゆうふうにされるとよくわかる」と親御さん同士で、自分たちの関わり方を子ども達の側に立って意見交換をし、日頃の子ども達の「問題行動」の理解と関わり方の工夫に努めておられた。今後もこのような体験的な内容をプログラムの中に組み込んでいくことが重要である思われる。
平成8年度は、「ふれあい・育ち合い・支え合う地域支援」というテーマのシンポジストの一人として次のことについて提言した。「全国的視野に立った重度・重複障害教育の立場から」ということで、主に養護学校における幼稚部の設置状況をもとに、早期教育にかかわる教育資源の充実の必要性と効果的な活用の仕方について提言した。
幼稚部が設置されている養護学校をもたない青森県において、幼稚部の訪問教育など久里浜養護学校が過去に行ってきた実績をもとにこのことについて提言できたのは、後方支援機関である久里浜養護学校だからこそ率直に提言できたのではないかと考える。
以上、筆者自身の役割を中心として、反省・要望等を記載してきた。講習会全体について眺めてみると、会場である「やまぶき園」に、仕事を終えて駆けつけてくる協力者の人数の多さもさることながら、スタッフや協力者達の熱気に驚かされた。朝5時からの受講者のための朝食づくりに始まり、夜10時過ぎの打ち合わせまで、精力的に活動している。自分たちの手で、自分たちの地に適した、活

 

 

 

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