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教育相談に関する研修講座受講者数は延べ594名にのぼり、担当教員の専門性の向上を図ってきた。これら要員養成が計画的、継続的に行われたこともあり、盲、聾学校の他、養護学校においても「教育相談」「発達相談」の名称で地域の障害児あるいはその保護者等に対する支援・援助が教育活動として行われている。特筆すべきことは、平成9年度からは、教育相談担当教員を県として配置していくことが決まっている。
さらに、平成9年度を開始年度とする「第三次青森県長期総合教育計画」の「個のニーズに応じた特殊教育の推進」の節においても、早期からの教育・相談・支援体制の確立を最重要課題として掲げ、具体的事業として家庭訪問等による教育相談の実施など多様な教育相談の在り方を検討する計画を進めている。
ウ.機関間連携と相談体制の充実
市町村保健婦活動、県保健所、児童相談所、福祉事務所、福祉施設、盲・聾・養護学校、特殊学級、通級指導教室、身体障害者更生相談所、精神簿弱者更生相談所等様々な機関が、様々な制度に基づき各種施策を展開し、障害児が地域で豊かで潤いのある生活ができるよう努めているところである。
しかし、先にも述べたように障害児本人や保護者のニーズの多様化、高度化により一つの機関、一人の専門家では十分対応できない状況にあるのが現状である。また青森県の実情として、専門機関や情報が青森市、弘前市等の都市部に集中しがちである。そのためにも、これらの機関が相互に連携し、ネットワークを構築し、県内どの地域にいても専門的で総合的な支援・援助が速やかにまた個別的に提供されるようなシステム作りが必要がある。

 

2.地域における家族支援の構想
 
佐藤 紘昭(青森県教育庁)

 

(1)障害児とその家族の願い
我々共同研究者は、通園施設、教育相談機関、保健・医療、保育、特殊教育等それぞれの分野で、それぞれが実践を重ねてきた。その実践過程の中で、障害児を持つ両親・家族から、?@居住する地域に、医療、療育、教育に関する専門の機関がなぜ無いのか、あるいは少ないのか。?A子どもの発達や障害の状態の改善、養育等に関する助言・情報提供、指導してくれる専門家が地域に少ないのは何故か。?B障害児者と家族の抱える広範なニーズに対して総合的な観点から応えてくれるところはないのか。といった指摘を受けてきた。
ア.両親・家族が求める支援・援助のありよう
教育相談や日常的な係わりの経験の中で、障害児やその両親・家族等利用者の立場に立った支援・援助の在り方を検討したところ、次の条件を満たしていなければならないことが明らかになった。
地域性:居住する地域で、地域の子どもとしての生活を営みながら支援が受けられる体制。
即時性:対象児者が必要な時、必要な内容を必要とする程度に、速やかに受けられる体制。
多様性:親が求める援助内容や抱える課題、子どもの興味・関心は一人一人異なり多様であり、ま

 

 

 

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