
第4回グローブ座セミナー
「シェイクスピアと狂言」
講師:野村萬斎
参加人数:34名 開催日:1996年7月13日(土)
時間:10時30分〜11時40分
当日萬斎さんは能楽堂での公演があるとのことで、時間があまりないとのことで1時程の講演になりました。
ご自分の留学体験とかかわってきたシェイクスピア体験についてのお話し。
最初のシェイクスピアとのかかわりは黒沢監督の映画「乱」でした。この映画はリア王を基にした作品で舞台を室町時代に設定したものでした。
その後、「能ジャンクション」でシェイクスピアに本格的に取り組んでいくことになった。「乱」ではあまりシェイクスピアということは考えていなかったが、能ジャンクションで「ハムレット」を行うにあったって、考えて取り組むようになったとのこと。
能の舞台は後ろに後見という方がいて、つねに背中にも緊張感をもって舞う。
シェイクスピア演劇をやるにあったって、能の動きとは違うので演技をするのに苦労し、台詞も能・狂言においては時間経過があまりないので、シェイクスピア演劇の時間経過を表現するのも難しかったとのことでした。
英国で古いシェイクスピアのテープを聴いて、現代語には無い様式の美しさ、格式を感じ驚いたとのこと。
ハムレットにしても古いもの、現代のものとではやはり様式が落ちてきたように感じられたとのことでした。
独白部分では狂言でもあるので、シェイクスピア演劇には「負けないぞ」など、狂言との比較され、また、そのなかでの共通する部分についてお話しされていました。能・狂言とシェイクスピアに共通する部分があるなど、普通考えてもみないことを狂言師としてのみかたでお話しされたのが、興味深く感じられました。
英国留学中観た、シェイクスピアですごいと感じたのは黒沢監督の「蜘蛛の巣城」だったそうで、これからのシェイクスピア演劇は原案そのままに行うのではなくアレンジしたものを行うベきではないかと語られました。
また、英国演劇を観て感じたことは、表面的には演技がうまいが、身体での表現がないように思えましたとお話しされ、それは能・狂言では全身で演技しているのでそのように感じられたそうです。
ご自身が、これからのシェイクスピアを考えると、日本の古典芸能があるのだから古典的演出を活かして行っていくと面白いと思うので、シェイクスピアの演出も行ってみたいと語られました。
記入者:瀧上 由紀
前ページ 目次へ 次ページ
|

|