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アマガエルの幼生は調査開始初期から見られたが、成体は7月上旬から多く見られるようになった。トノサマガエル、アカハライモリは成体は5月のため池造成時から見られ、調査開始初期から成体、幼生ともに見られた。シュレーゲルアオガエル、モリアオガエルの成体はため池造成時には見られたが、調査期間中には幼生は多数見られたものの、成体は見られなかった(図4-1〜3)。

 

3.両生類の各管理区での分布状況
アマガエルの幼生は深水・放置区以外の区に集中して見られた。他の種のカエルの幼生は浅水・除草区以外の区に集中して見られた。アカハライモリの幼生は深水・放置、浅水・放置の両放置区に集中して見られた。アマガエル、トノサマガエル、アカハライモリの成体については、どの管理区にも一様に分布していた(図5)

 

4.調査で確認された水生昆虫の種数およびのべ個体数
本調査ではトンボ目、カメムシ目、コウチュウ目、トビケラ目に属する26種のべ5956個体の水生昆虫が確認された。各管理区別に見ると、深水・放置区では17種のべ1408個体(10mあたりののべ補正個体数は1280、以下同様)個体、深水・除草区では19種のべ1547(1406)個体、浅水・放置区では19種のべ1420(888)個体、浅水・除草区では21種のべ1581(988)個体であった(表2)。すなわち、種数は浅水・除草区が最も豊富であり、深水・放置区が最も貧弱であった。また、のべ補正個体数では深水・除草区が最も多く、浅水・放置区が最も少なかった。
調査期間中ののべ個体数が100個体を越えたのは、多い順にマツモムシ Notonecta triguttata、ヒメアメンボ Gerris latiabdominis、ホソミイトトンボ Agrionidae migratum、オニヤンマ Anotogaster sieboldii、ヒメゲンゴロウ

 

 

 

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