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調査地と方法

 

1.調査地
本研究の調査地は大阪府豊能群豊能町の標高約280mの山間部の休耕田に設定した(図1)。ここにはコナラ、アカマツを主体とする落葉広葉樹林とスギ、ヒノキ林に囲まれて10段からなる棚田があり、その最上部の休耕田を利用して、畦、水路を整備した後、1996年5月11日に水をひいて、面積約180m2のため池を造成した。このため池を管理方法の異なる4つの区に分けた。すなわち、水深の深い区(水深約20cm)と水深の浅い区(水深約10cm)とに分け、さらにそれぞれを除草を行わない区(草本被覆率約70%)と選択的に除草を行う区(草本被覆率約30%)とに分けた。これ以降それぞれを深水・放置区、深水・除草区、浅水・放置区、浅水・除草区と呼ぶ。各管理区ごとに仕切りはなく、ため池内の水生生物は自由に各区を移動できるようにした。水は渓流からスギ林を通って深水・放置区に流入し、深水・除草区から流出するようにした。

 

2.調査方法
調査は1996年6月23日から11月19日まで毎週1回、計23回、午前中に行った。畦の上を歩きながら、畦から1m以内のため池内にいる水生昆虫および両生類を目視あるいは水生昆虫網ですくい取って確認し、4つの管理区ごとに種と個体数を記録した。すくいとった水生昆虫および両生類はその場で放逐したが、種名のわからないものについては大阪府立大学昆虫学研究室に持ち帰り同定した。また、ため池内に人為的に生物を持ち込むことはしなかった。
この調査と並行して、最高最低温度計とデータロガにより1週間単位の最高・最低

 

 

 

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