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「デフィレ」

“Deflle”

デフィレとは、フランス語で分列行進することを意味していて、パリ・オペラ座の伝統的行事として、シーズンの始めに生徒から、最高のエトワールまで全員が顔見せとして登場する場を“デフィレ”と称している。
「グラン・パ・ド・フィアンセ」
“Grand pas de Fiancees”
音楽●P.I.チャイコフスキー/P.I.TchaikovSky
振付●シャック・力ー夕ー/Jack Carter
この作品は、P.I.チャイコフスキー(1840〜1893)の作曲したバレエ「白鳥の湖」第3幕にあって、通常カットされることの多い「パ・ド・シス」(6人の踊り)の音楽を基に、クリーンのチャイコフスキー博物館で、ブルメイステルが発見し、後にジョージ・バランシンが「バランシンのパ・ド・ドゥ」として発表した作品の、女性ヴァリエーションにあたる曲を加えて、ジャック・カーターが構成振付したものである。
「白鳥の湖」の第3幕では、6人の花嫁候補が登場するが、それぞれになぞらえて、6人の女性舞踊手に1人ずつヴァリエーションを踊らせ、コーダで終わるようになつている。
振付のジャック・カーターは、独自の解釈による「白鳥の湖」全幕を振付していて、昭和44年に初来日した、ロンドン・フェスティバル・バレエ団公演の際(この時、ジャック・カーターの意欲作「ウィッチ・ボーイ」も上演された。)カーターの演出振付による「白鳥の湖」全幕が上演され、第3幕で、悪魔の娘オディールが、従来の黒鳥のコスチュームではなく、白いチュチュで登場したのを億えている人も多いのではないかと思われる。白鳥の湖の原台本による初演時(1877年)では、オディールはオデットと全く別の踊り手が、オデットと同じ衣裳で出現し、王子を幻惑させるようになっていたことの、ジャック・カーターによる考察である。
又、彼は、プティパによって省略されていた「パ・ド・シス」の曲も復活した。これが、単独に「パ・ド・フィアンセ」として昭和49年に、牧阿佐美バレエ団の為に振付けた原型である。

「ラ・シルフィード」よりパ・ド・ドゥ

Pas de deux from "La Sylphide"

音楽●H.S.ローベンスヨルド/H.S.Lovenskjold
振付●A.ブルノンヴィル/A.Bournonvlle
ラ・シルフィードバレエ史上、最初のロマンチック・バレエと言われ、世紀の舞姫マリー・タリオーニがタイトル・ロールを、そしてその父、フィリッポ・タリオーニの振付、シュナイツホッファーの音楽によって、1832年にパリ・オペラで上演され、大成功をおさめた。
タリオー二の名声と共に、このバレエは、ヨーロッパ各地、ロンドン、セント・ペテルスブルグ、コペンハーゲン、ミラノ等で相ついで上演されたが、バレエ史上重要な地位をしめるブルノンヴィルによって、パリ初演後の1836年に、デンマーク王立バレエ団によって上演された際、音楽は新しくローベンスヨルドが作曲した。
この際、ブルノンヴィルは、やはり当代人気をタリオー二と共にもっていたデンマーク生れのバレリーナ、ルシル・グラーン(LucileGrahn)を主役とし、以来タリオーニを主役とするパリ版と、グラーンを主役とするデンマーク版は、両方とも人気を得たと言われている。
しかし、パリ・オペラ座版の方は、いつしか忘れられ、主流は、デンマーク版に移り、一般に、「ラ・シルフィード」といえば、後者のブルノンヴィルによるデンマーク版を指すようになり、これは、ソニア・アロワとトール・ストウスキーによって全幕が、牧阿佐美バレエ団に伝えられた。
パリ版の方は、本家のオペラ座で絶えて久しく、(「グラン・パ・クラシック」の振付者として知られるV.グゾフスキーが1946年に、ローラン・プティと共に復活上演したことがある)乏しい資料をもとに、この古いバレエを再現したのが、ピエール・ラコットである。彼は、1972年に、先ずテレビ・スタジオ制作し、次いでオペラ座のステージで復活全幕上演し、ラコット自身によって東京バレエ団に伝えられた。
現在は、綿々とした伝統をもつデンマーク王立バレエ団のデンマーク版「ラ・シルフィード」の方が有名で、ソ連のキーロフバレエ団、英国のスコティッシュバレエ、アメリカン・バレエ・シアターなど、いずれもこのローベンスヨルド=ブルノンヴィルのデンマーク版に基づいている。
今回も、このデンマーク版の第二幕から、ジェイムスが森の中でシルフィードに出会う場面のパ・ド・ドゥで、スコットランドの伝説に基づくものである。

「海賊」よりグラン・パ・ド・ドゥ

Grand Pas de deux from“Le Corsaire”

音楽●R.ドリゴ/R.Drigo
振付●M.プティパ/M.Petipa
バイロンの詩に基づく全3幕のバレエ「海賊」は、

 

 

 

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