11th Japan Ballet Festival 第11回公演に際して
日本を代表するトップ・ダンサー達によるガラ・コンサート「日本バレエフェスティバル」も10年をひと区切り、今年は二桁初年の第11回を迎えます。 これまでこのフェスティバルに出演して下された諸外国の多くの著名なダンサー達、そうして国内の多くのトップ・ダンサー達の数々の名舞台は今尚鮮烈にバレエファンの皆様方の御記憶の中に生きているものと思います。またこの「日本バレエフェスティバル」が日本のバレエの振興に果たした役割は決して小さいものではなかったと、私達制作に携わって来た実行委員達はこの10年を懐かしく思い出します。 一口に10年といいますが、バレエ・ダンサーにとっては大きな歳月、大きな時空であります。 はじめは若手ダンサーとして前座の「グラン・パ・ド・フィアンセ」に出演していた人達が今では一流のスター・ダンサーとして活躍したり、内外のコンクールに入賞した新人が国際的スターになったり、親と子供の世代が入れかわって出演する人がいる一方で、当初はスター・ダンサーとして出演していた人が今は舞台を降りて、教師、振付家として後進を指導している人も多く、やはり歳月は大きく時代を押し進めています。 さて二桁初年の今年のプログラムは恒例の「グラン・パ・ド・フィアンセ」を前座に数々のグラン・バ・ド・ドゥが並びますが、このフェスティバルは作品を鑑賞するのとはちがってトップ・ダンサー達の華麗な舞台が鑑賞の主な目的即ちガラ・コンサートであります。同じグラン・パ・ド・ドゥでも普段はなかなか観られない組合せや演目と踊り手の意外性等が観客の皆様には興味深いステージになるのではないかと思います。 出演は国内の主要バレエ団のトップ・ダンサー達のほか英国ロイヤルバレエニ人の邦人プリンシパル吉田都・熊川哲也さん達、日本人側男・女性それぞれのパートナーとして参加して下さるスコティッシュ・バレエ、ウィーン国立歌劇場バレエ、サンフランシスコバレエ団等のソリスト達が出演致します。プログラムの最後は何か一つまとまった作品でということでストラヴィンスキー=バランシン作品「アポロ」を日本にファンの多いロバート・ヒル(アメリカン・バレエ・シアター)さん、それに日本側草刈民代、佐々木想美、田中祐子さん達の出演でしめくくりました。二桁初年は従来にない国際的な華やかなコンサートが編成でき、御協力の皆様に感謝致します。御高覧の上御鞭撻をお願い致します。 末筆になりましたが制作実行委員漆原宏樹、江川明、遠藤展弘、牧阿佐美諸氏の労を感謝致します。 このガラ・コンサートは日本財団補助による公演であります。 芸術監督島田廣
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