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八 丈 島

(海図60)

島の北西部に西山、南東部に東山があり、その間は高さ90m内外の平低な耕地である。海岸は屈曲が少なく、山岳が急に海に迫って崖になった所が多い。特に島の南東部の崖は険しく、高さ200mに及ぶ所もある。この島の北東岸に神湊港、南東岸に洞輪沢漁港、南西岸に八重根港、中之郷漁港などの港湾及び底土泊地がある。いずれも開湾で風波の方向に応じて適宜錨地を選ぶ必要がある。
一年を通じて西風が多く、風速も強く、特に冬季の季節風期には月20日の強風日数を記録している。気温は冬季の最寒月でも10℃ぐらいで暖かく、夏季は比較的涼しいので、温和な気候である。降水量は多く、10月が最大で450mm以上、その他の月も多く全年量3,000mm以上である。上げ潮流は島形に従って北西方へ、下げ潮流は南東方へ流れ、その転流時はおおむね高・低潮時と一致するが、海流・天候の影響を受けることが大きい。
北側の赤埼付近は低潮時に急潮や激潮を生ずる。
南東端の小岩戸ヶ鼻から沖合まで、下げ潮流のときに激潮を生ずる。
南西側の神子埼付近では、下げ潮流には南東の強潮流を生ずる。
小島ノ瀬戸では、上げ潮流は北方へ、下げ潮流は南方へ流れるが、海流に圧せられて、ときに南流のないことがある。

目 標

八丈島北西部中央の西山[八丈富士](休火山で円錐形の単峰)。

八丈島南東部中央の東山[三原山](休火山で最高頂は外輪山の西縁にあり、平頂である)。

八丈島東端の石積ヶ鼻(黒色の溶岩で絶壁の鼻、遠望顕著。鼻上に八丈島灯台があり、その西北西方約350mに無線万位信号所(船舶気象通報も行う)がある)。

石積ケ鼻南南西方約4.5kmの小岩戸ケ鼻(南東万へ突出する小半島の南端である。この小半島の周囲は高くて険しい崖で、雑木が茂る)。

小島の頃の大平山(鋭鋒)。

 

 

 

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