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人生のよき伴侶を

銀行でパンチャーとして働く

松沢富
埼玉県
三十余年前、子供の成長とともに、手ぜまになった東京・墨田区寺島町の家から、埼玉県八潮村へ引越してきました。そのとき、お腹にいたのが娘あけみです。
いまでは考えられないほど、当時は田舎で不便でした。見渡す限り田圃と畑ばかり、その中に農家がぽつんぽつんと点在しており、上の子供三人は伸び伸びと跳ね回っていました。しかし道路は悪く、雨が降れば泥がはね、バスに乗れば子供らは座席から転げ落ち、大人が立っていればバスの天井に頭を突きそうになるくらいのがたごと道でした。
そんなバスで隣の町まで通院したり、ぬかった道路で尻もちをついたりしたことが原因したのか、その年の十一月十四日、あけみを出産しました。お産は軽い方でしたが、へその緒を首

 

 

 

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