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いまは二人の子も社会人

松岡ヒロ子
群馬県
私には二人の子供がいますが、二人とも耳に障害があります。私も耳が聞こえません。
誠夫は昭和四十三年に生まれ、四歳のとき群馬県立ろう学校の幼稚園に入りました。三恵は赤ちゃんだったので、おんぶして誠夫の手をひっぱって、バスに乗って通学しました。
誠夫が授業を受けるとき、私も一緒に勉強するつもりになって、ノートに書こうと思いました。でも私も耳が聞こえないので、先生の口をよく見ていましたが、わからないこともありました。
気持ちがいらいらして、でたらめを書いたこともあります。ほかのお母さんたちは、先生のお話しを聞きながら、文をたくさん書いていました。
午後三時ごろ授業が終わると、バスに乗り途中下車して買物をしてから帰るのが常でした。
たまには買物の荷物を持ち、三恵をおんぶし誠夫をだっこしてバスに乗り、疲れて眠ってし

 

 

 

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