
寧も今は二児の父親
山口美代子
兵庫県
昭和三十七年九月、三男寧(やすし)を出産しました。私の村は小さな漁村。産後が悪く病院に通い、寧も弱くて風邪を引き、高熱が出て度々、診療所へ行きました。
三十八年の冬は大雪で、家の軒下まで雪が積もり、私は章を背負って山を越え谷を越えて診療所に通い、マイシンの注射を繰り返しました。
寧は足が弱く座りが悪いので、砂浜で毎日、歩く訓練をして少しずつ元気になり、言葉も、「うまうま」と、言っていたので安心していました。
砂浜での訓練に無理があったのでしょうか。また高熱が出て医師にみてもらったところ、肝臓などが悪いとのことで入院、「命にかかわる」とまで言われましたが、お蔭さまで一命はとりとめました。医師もびっくりしていました。
だが、マイシンの注射のためか、耳が聞こえなくなりました。阪大病院で診療の結果、「耳の
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