職場結婚をして孫娘も

戸來キミ

岩手県

「ハマナスのうた」に原稿をと言われ、筆も取ったことのない私が、「どのように皆さまの心に伝えることができるか」と不安と恥ずかしさでいっぱいです。

戦後問もない昭和二十二年七月、誕生の長男は大きな声で力いっぱい泣き、助産婦さんに、「立派な男のお子さんです」と知らされました。知人からは大きい白センベイが差し入れされ、物のない時代でもあり、ありがたく頂戴しました。

産後の肥立ちも良くすくすくと育ち、私は電報電話局の仕事を六年目で退職、子育てに入りました。片言で、「ママ、ママ」と言って可愛い盛りに突然に発熱し、病院へ急いで行きました。なんの熱かはわからず、また、ストマイを注射されたことも知らず、そのときは熱も下がってホッとしました。

しかしその後、言語の遅いことが気がかりでした。「男の子は遅いですよ」と、近所の方にも

前ページ　　　目次へ　　　次ページ