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イラストレーターで活躍、個展も

中西妙子
京都府
長女は昭和三十七年八月誕生、すくすくと育ち十一ヵ月で歩く健康優良児でした。不幸にも誕生一年にして、突然の高熱に襲われ注射の副作用のため聴力を失ってしまいました。
活発な子供でしたので、最初はあまり気にもしなかったのですが、「呼んでも知らん顔をしているときがある」と気付き、あちこちの病院を回りました。結果は皆同じ。「残念ですが治りません、補聴器をつけて訓練して下さい」との診断でした。
昭和四十年二女を出産、お宮参りの前日、姑が交通事故で亡くなり途方に暮れているとき、私の勤務先の保育園の主任さんのお兄さん一神戸ろう学校の今西先生)が、娘の話を聞き訪ねて来て下さいました。娘は三歳になっておりました。「一日も早く訓練をうけさせなさい」とすすめて下さいました。
三歳といえば、やっと自分のことができるようになってきたころです。まだまだ親に甘えて

 

 

 

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