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聴覚障害児にも音楽を

置田慶子
豊川市
人類が誕生して四五〇万年が過ぎようとしています。その長い営みの中で人間はコミュニケーションの手段に、耳を主役として歴史が始まりました。
その間に、物事を考え判断をするための言葉を生み出し、その言葉によって飛躍的な進化を可能にしました。人間は言葉と文字によって、今日の秩序ある文化が形成されているものと思います。
その中にあって、私の子供たちは聴覚を与えられることがありませんでした。全く言葉を知る術を神は授けてくれませんでした。
人は自然に音の海にどっぷりとつかり、生まれて一年も過ぎれば、相手の言葉を理解できるようになり、音楽に体を揺すり、手をたたき、愛らしい笑顔を私に投げかけてくるのに。

 

 

 

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