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娘のお陰で充実した人生

夏目幸子
愛知県
「障害児を育てた母をたたえる」と言われても、ぴんとこない私です。常日ごろ考えていることは、この娘がいたからこそ、いまの私が育てられたという思いなのです。
三人目の純子が耳が聞こえない子だったために、自分が変わらざるを得なかったのです。普通の子を三人育てるだけでも大忙しで大変なのに、その上、障害児だったので、超多忙な育児期を過ごすこととなりました。
そして私は、母子家庭の一人っ子だったので、自分でも認めるほど、わがままに育っていました。そんな私が、現在のような素晴らしい人生を送ることができるようになったのも、聞こえない娘、純子を授けられたからでした。純子は昭和三十九年三月生まれました。
三人の子育ては「子供に譲る、子供には負ける」ということを、少しずつ身につけました。

 

 

 

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