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IV.今後の作業船需要の見通し

実質的にミャンマーにおける輸出入の大部分を取扱い、沿岸輸送と併せ海上貨物輸送の約8割強を取り扱っている最大の貿易港であるヤンゴン港の整備が不可欠である。現状では航路凌渫の不十分さにより入港可能船舶が物理的に制限され、貨物を満載できずに運航されており、輸送効率向上に影響を及ぼしている。
対策として現在約10隻程度の凌渫船が稼働し航路凌渫を実施しているものの、修理、燃料不足のため年間平均稼働日数は約100日程度と低く凌渫は満足に行われていないのが実状である。
また瀬取りが必要な場合にも、ポンツーン等必要な設備が整備されていないため、潮待ちのための遅滞が大きく、15時間から2日もの時間をロスすることもある。
その他入港時に必要となるタグボートはMPAが1隻(900PS)所有しているが、離接岸時が限定され運航能率に影響を及ぼしている。

港湾公社関係者によれば具体的時期は未定だが早い時期にサクションドレッジャーを始めとしてバケットドレッジャー、サルベージ船、fire fighting vessel、パイロットボート、タグボート等を新規に購入したいとの希望がある。

イラワジ河の維持凌渫については莫大な凌渫量があると推定されており、航路維持用のドレッジャーを始めとして各種作業船の需要はかなり見込めると考えられる。
従って、今後は専門家を派遣する等して基礎データを整備しながら、各種作業船のニーズ把握に努める事が重要である。

 

 

 

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