8.日本の協力に対する期待
これまでインドネシアにおける作業船の整備はオランダ、ドイツ、アメリカと並び日本もかなり大きな役割を果たしてきた。
近年インドネシアの港湾管理において一番頭を悩ますのが維持浚渫の問題であり、毎年シルテーションのため膨大な浚渫を余儀なくされている現状を打開する方策が求められている。
当面の対策として、大型浚渫船の配備により解決することを図り、各国の作業船メーカーがその売り込みを図り、ヨーロッパ勢が有利な長期ローンによる資金援助で実現されてきた経緯がある。
今回の調査に当たっても、浚渫船の整備に対し日本の資金援助を求める声が極めて高かったのは事実である。
また、シルテーション対策については、外国勢により新工法の売り込みが活発に行われているが良い結果が出ていないようで、日本に対してもこの面の技術開発、援助が求められた、また岩盤浚渫に対する技術供与も求められた。
その他の作業船については、自国及ぴ近隣諸国で建造可能となっていることから余り大きな期待はされていないようであった。
いずれにせよ一部欧米よりの考えを持つ人もいるが、概ね日本に対しではこれまでの援助経過もあり親近感を持っている人が多いので、その芽を絶やさぬよう今後も援助協力を継続していくことが必要と判断された。