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第1章研究概要
1.1研究目的
流通施設、交通施設、都市機能施設等の空間の確保のための海域利用の要請は、経済社会、国民生活の高度化に伴いますます増大している。しかし、これらの空間確保に適した内海、内湾の淺海域は既に高密度に利用されている。現状では、拡大する需要に対応するために、沖合の大水深海域や外洋に面した海域を利用するための領域拡大が重要な課題となっており、既に埋立方式による沖合人工島が検討され、実現化した例もある。一方、海底が軟弱な地盤であったり、あるいは、大水深海域では、埋立方式を補完する工法として浮体式構造物の利用が有効と考えられ、既に超大型浮体式海洋構造物を用いた様々な人工島構想が打ち出されている。浮体式海洋構造物については、これまでの研究により設計、建造に関する基礎的技術を積み上げ、小規模なものについては既に実現しているが、これを上記のような社会資本整備のための基盤施設として活用するには、超大型化する必要がある。
研究開発の目的は、超大型浮体式海洋構造物に関する理論的研究を進めるともに、各種の要素実験をしたうえで、実海域において大型実証実験モデルを設置し、これを活用して技術的に何時でも超大型浮体式海洋構造物の建造が可能な体制を整え、運輸関連施設をはじめとした社会資本の円滑な整備等、我が国経済社会の発展に資することを目的とする。
本研究の開発目標は、以下のように設定した。
総合目標:「数km規模、100年耐用の超大型浮体式海洋構造物実現のための総合システム技術を確立する。」
開発目標:
?@超薄型浮体(深さ/長さ比1000分の1規模)の浮体設計解析技術の確立
?A500ha規模の浮体構造物を3年程度で完成させる洋上施工技術を確立
?B100年耐用保証システム及び陸上設置施設と同等機能を有する保証システムを確立
?C流況・生態系の環境影響評価システムの確立
実証目標:
300mx60mx2mの大型浮体実証モデルを活用して
?@高精度の浮体ユニット洋上接合技術、防蝕用新素材施工技術などの実証
?A大型浮体モデル設置前後の流況変化や生態系への影響を計測・評価
?B各システム技術の検証
研究期間は、平成7年度から平成9年度までの3ヵ年計画である。

 

 

 

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