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[4]ディスクゴルフ

1)動作の特徴
男女それぞれ1名のプレーヤーについて、ゲーム中に見られた動作とその動作を行った合計時間を図表7に示した。また、それらの動作がプレー中、どの程度の割合で行われているのか、その比率を図表8に示した。プレー時間は18ホールで、女性プレーヤーが1時間10分11秒、男性プレーヤーが1時間14分16秒であった。
図表からディスクゴルフでは1時間以上にわたるゲーム時間の約50%を歩いているのがわかる。おもにディスクの落下地点への移動やコース間の移動である。ディスクゴルフはコース全体の距離が長く、また1投毎のディスクの飛距離があるので、移動のための「歩き」動作が多くなっている。
次いで、「立位静止」の状態がゲーム中の約30%となっている。これはおもにティーグラウンドでの順番待ちや同伴プレーヤーのスローを立ち止まって待っている状態である。「歩き」と「立位静止」でゲーム全体の約80%を占めている。ディスクを投げるための動作は、「スロー構え」が約8%、そしてディスクを投げる「スロー」が2%で、全体の約10%であった。そしてディスクを拾い上げたり、交換する時の「腰かがめ」動作が全体の7%とかなり多くの比率を占めている。
ゲーム中の「腰かがめ」と「スロー」の回数を図表9にまとめた。女性プレーヤーはゲーム中「腰かがめ」118回、「スロー」67回で、1ホール平均ではそれぞれ6.6回と3.7回であった。男性プレーヤーではゲーム中「腰かがめ」114回、「スロー」48回で、1ホール平均ではそれぞれ6.3回と2.7回であった。ゲーム全体を通すと「腰かがめ」動作をかなりの回数行っている。
また男性プレーヤーのティースローにおいて、3〜4mの助走をつけたスローがみられた。助走付きのティースローは18投中8投あり、残りの10投はその場からのスタンディング・スローであった。女性プレーヤーはすべてその場からのスタンディングスローであった。
2)動作から見た安全対策
●コースや環境条件に合わせたプレーと準備を!
ディスクゴルフで最も身体的負担が大きくなる運動は歩行である。歩行自体は身体負担度の高い運動ではないが、ディスクゴルフのコースによっては平坦な所だけでなく登りや下りのコースがあるので、歩行といえども身体負担度は大きく変化してくる。またプレー時間も長いので、特に気温の高い夏場のプレーではかなりの身体的負担となると思われる。ディスクゴルフではプレーを構成する動作そのものよりも、むしろコースの状況や気温など環境条件によって身体的負担度が大きく変化すると思われる。その時の環境条件に合わせたプレーや水分補給等の準備を心がけることが重要だろう。
また、森林コースなどでは、足場が悪く斜面で滑って捻挫したりしないように、シューズなどにも気を付ける必要があろう。革靴やサンダルなどでのプレーは禁物である。

 

 

 

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