
出雲日御碕灯台構内の灯台資料展示室建設については前年度から燈光会、八管本部及び地元大社町と連絡を取り合ってその実施準備を進めていましたが、灯台が建っているところが「大山隠岐国立公園」の指定地域に入っていることもあり、環境庁等関係方面との協議が必要で、建物の色や屋根の形状等景観にマッチするよういろいろと大変な時間を要したようでした。
昨年八月十九日に建設を請け負った(株)岩成工業が当事務所に挨拶に来て、二日後に位置出しに立ち会い、すぐ建設にかかりました。
(株)岩成工業は平成四、五年度に約二億円をかけて行われた出雲日御碕灯台の補強工事を施工した業者で、灯台建設に経験が深く、灯台資料展示室の建設にも優れたものがあったため開設式では燈光会から感謝状が贈呈されました。
建物は約四〇m2で、軽量鉄骨造りで十月には出来上がり、同月十四日には燈光合築貫専務理事により検査が行われました。奇しくもこの日は当地大社町の近くの加茂町岩倉から大量の銅鐸が発見された日でもありました。
その後十二月に展示関係全般を請け負った?ムラヤマが入り、一部を除き展示品も揃い、また、二月早々には本庁小川吾吉灯台部長揮毫の表札も届いたことから、大安吉日の二月七日には仮オープンをしました。(展示室の内容については「燈光」四月号にも紹介されています。)
観光地としての日御碕は年々観光客が減少傾向にあり、それにつれて灯台の参観者も減り続けており、この展示室でなんとか観光客の減少をくい止めようと大社町や日御碕地区土産店組合、民宿業者等の期待は大きく、この展示室の開設式及びオープンセレモニーについては日御碕地区実行委員会を作り、大社可及び燈光会と一体となり三月二十三日実施する運びとなりました。
燈光合築貫専務理事及び同田中事業部長は二十一日から出雲空港経由で大社町に赴き、準備に東奔西走されており、八管本部灯台部長及び電波標識課鈴木技術官も前日の土曜日には大杜町に入り日御碕地区に投宿されました。
翌開設式当日は雲一つない快晴に恵まれ、早朝に地元実行委員会の手により日脚碕神社から二名の神官が招かれ、お清めの神事が厳かに行われておりました。
日脚碕神社は「出雲風土記」にも美佐伎社と記載されている古杜で、社殿は上下二つからなっており、上の宮には大国主命の父神にあたる素養戔尊(すさのおのみこと一が祀られ、下の宮には日比宮(ひずみのみや)ともいって、天照大神が祀られております。
現在の社殿は徳川三代将軍家光の命により松江藩主松平直政が造営したもので、社宝には国宝に指定されたものもあり、
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