(5) 実施間の着意事項
1.各人の距離、歩度を一定にする。
2.喉の乾きに応じて水を飲む。一度に多量の水を飲むとかえって発汗が激しくなるので、一回に飲む量は0.1リットル程度とする。
3.次の兆侯に注意し、疲労、病気等を早期に発見する。
ア.今まで元気だった者が急に無口になる。
イ.顔色が変わる。
ウ.発汗が停止する。
4.休止地点は、給水に便利でなるべく風雨をしのげる場所に選ぶ。
5.足を高くして休憩し、要すれば靴を脱ぎ、靴下のしわを伸ばし、足の手入れをする。
6.緩んだ装具を装着し直し、水筒を満水にする。
7.終了後は足および靴の手入れを行う。
足はよく洗い、皮膚が赤くなった部分は水で冷やし、できれば軟膏を塗る。
(6)暑熱時の対処
1.早朝の早い時期に出発し、炎天下を避ける。
2.袖をまくり、胸を広げたりしてうつ熱を防ぐ。
3.気温30度以上では、30分歩いて20分休憩するのが一般的である。湿度が多い場合は、更に休憩時間を多くする。
4.通風が良好な場所で休憩し、飲料水(0.1%の食塩水)は十分補給する。
5.気温・湿度・気流の影響について注意する。
(7)山地での注意事項
山地は経路が狭く、起伏があって、局地的な気象の変化もあるので体力の消耗が大きい。
1.山地では、発汗が激しく転倒などによる外傷を防ぐため、被服を着用する。リュックはなるべく高くし、背中の換気をよくするように背負う。
2.山地では疲労を少なくするため靴底全体を平に踏みつけ、なるべく小股にゆっくり歩くようにする。
上りでは両足先を外側に開き、下りでは足先を内側に向けるようにする。
3.休憩は、疲労の状態に応じて適宜行う。
当初、15分後に第1回の休憩を行い、服装、装具の点検を行う。
(8)湿地での注意事項
水や泥の深さを確認する。水面に見える草の上を踏むと体の平衡を失い、ねんざを起こしやすい。着替えの靴下を携行し、適時交換すると共に足の手入れを十分行う。地下足袋を着用すると便利である。
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