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火起こし・薪の燃やし方

★はじめに-人間と火、その恩恵
 
火を起こし、薪を燃やし、食物を煮たり焼いたり、或いは寒いときに暖をとったり、私たちは日常生活に直接利用する以外にも、多くの火の恩恵を得て文明的な生活をしています。
類人猿が道具を使うことは知られていますが、火を使うことはできないのです。
では、なぜ人類だけが火を使うことができるのでしょう。それは人類の頭脳が発達しているからにほかありません。
 
太古の人類はどうして火を手にいれたのでしょうか。多分自然発火や落雷による山火事、野火によって手に入れたと考えられていますが、その火を保存したり、更に人間の手で火を起こすことができるようになったのは、人間に考える能力が備わっていたからでしょう。
人間は、自然現象として樹木が大風で擦れ合って発火することを発見し、それから木の摩擦による方法を考え出したとしか考えられません。
原始的なこのような方法から進歩して、火打ち石や火薬が発明され、マッチやライターといった便利なものが開発されました。また電気の火花を利用するようになってきたのです。
ところで、こうして『もぐさ』に起こした小さな火種や、マッチなどによる小さな炎だけでは役に立ちません。更に火を大きくして、薪に燃え移らせて、はじめて私たちはその恩恵を受けることができるのです。
そこで火を起こして薪を燃やす方法を勉強してみましょう。 
しかし、その前になぜ火が然えるのかその原理を知っていなければ上手に燃やすことはできません。
★火はなぜ燃えるのか-火起こしの原理と方法
理科で習って良く知っている人もいるでしょう。
薪が炎を上げて燃えるのは、薪の中の炭素と空気の酸素が急激に化合(酸化)するからです。(一瞬に酸化すると爆発、ゆっくり酸素と化合することを酸化といいます)
すなわち、空気がなけれは薪は燃えることができないのです。
次に、なぜ火は次から次へと燃え移っていくのでしょう。 
これは、熱が移動(伝わっていく)するからです。
すなわち、輻射・伝導・対流です。ですから、熱が伝わりやすいようにしなければ、火は今燃えているものが燃えつくすと立ち消えてしまいます。
薪を燃やすときの熱の移動で大きな役割を果たすのは、輻射と対流が主ですからそれが最も効果が上がるように薪を組む必要があります。

 

 

 

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