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第二章 考察と今後の課題

 

1.考察

 

シンポジウムに姶まり、環境ボランティア活動までという、約半年間に及ぶ事業展開の中で、主催者として、又、実行委員として、走っては立ち止まり、又走り出し、という試行錯誤の連続であった。
この中で最も重視したのは、子ども達や地域の人達の自主性ということである。ともすればこのような事業は、主催者だけが企画し、お膳立てし、行動する。しかも結論、結果は当初から折り込み済み、というものが多い。我々も、補助事業ということもあって、事業計画は充分練ったつもりである。しかしそれが余りに決められすぎていると、子どもを含む参加者の自主性が損われ、単に踊らされているだけになってしまう。
そこで主催者は実行委員会に極力まかせ、実行委員会は参加者に極力まかせて、我々はレールから外れそうになった時に軌道修正するという形をとった。
我々としては、初の試みにしてはマズマズの出来と思っている。以下事業の流れに沿って考察を加えてみる。

 

? 子ども地域環境シンポジウム in 名古屋
地域における環境教育をテーマに、真柄泰基先生に基調講演をお願いした。先生は、名古屋の出身ということもあり、水の大切さを、名古屋の水道の例でわかり易くお話下さった。参加した300名の子ども達も、この時点で少なくとも水環境の大切さは認識したと思われる。
基調講演に続く第2部は、計画ではパネルディスカッションとなっていたが、東海支部の実行委員会が、ご後援下さった愛知県環境保全課の方々との打合せの段階で、「パネルディスカッションは子ども(特に小学生)には、理解できるかどうか疑問だ」「90分小学生にじっと話を聞けというのは無理だろう」ということになった。
そこで検討の結果「子どもが理解でき、しかもゲーム性があって楽しみながら環境学習ができる方法を開発した人がいる」と聞き、亀山委員長が早速その寺本潔先生に会った。先生は愛知教育大で「子ども環境学」を教えており、しかも自然環境問題をわかり易くビンゴゲームにしている方で、正に願ってもない人であった。そこでパネルディスカッションを変更し、寺本先生にお願いすることとなった。実際その内容は素晴らしく、親も、学校の先生方も我々も「こうすれば環境教育はできる」との意を強くすることができた。当初の計画とは異なったが、結果としては大成功だった。

 

? 子ども地域環境シンポジウム in 奈良
名古屋のシンポジウムを生かし、奈良では内容は事業計画通りであるが、参加対象を大人とした。それにより基調講演、パネルディスカッション共に十分理解でき、自然環境の問題と学校5日制に対する地域の対応が可能となると思われた。特に学校の先生方には、菱村先生の大変わかり易い説明により、5日制や中教審答申に、学校現場がどう対処するべ

 

 

 

 

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