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は一覧表を見ていただければご理解をいただけるのではないかと思います。ちょっと補足的に私、気になったことが1つありますので、最終のぺ一ジに著作権の問題を書いておきました。
実は、先ほどご紹介申し上げた徳島の女性が呼んだレハールのオペレッタ「メリー・ウイドウ」も、実は上演権はまだ残っておりまして、東宝の子会社で東宝ミュージックというところが上演権の日本での代行のエージェントなんですけれども、その申請がないものですから、主催者あるいは館に問い合わせをしたら寝耳に水だったんですね。外国の著作物をおやりになるときは、必ず著作権が生きているかどうかを確かめる。それをクリアしているかどうかというのが大きな問題になりますので、著作権の取り扱いということを一応書いておきました。
というのは、音楽使用なんかはJASRACに申告をすれば音楽使用料で済むんですけれども、専門的にはグランドライツというんですが、一定の作品、1つの作品から5曲以上なら5曲以上の曲を使った場合はグランドライツを申請しなければ、音楽使用料、JASRACだけではできない、こういうことがあるんです。例えば「マイ・フエア・レディ」のシーンを何シーンかおやりになるようなときは、東宝が「マイ・フェア・レディ」の上演権を持っております。
あるいは、こういう事例がありました。これは取りやめになりましたけれども、博覧会のアトラクションのダンスショーで、猫の扮装をしたダンサーたちが「メモリー」をバックに踊るというのが提案されたことがありまして、それがたまたま私の耳に入りましたから、それは四季に断らないとぐあいが悪いのではないか、四季は、黙ってやってくれたらいいんだけれども、打診を受けた以上はやはりそれはできませんということでした。ましてや行政が絡んだ催し物ですから後でスキャンダルになってはいけませんので、それは代理店にやめとけよと言って私がアドバイスをしたことがございます。
ですから、演奏会形式でもいいからミュージカルをおやりになりたいというような要望もあるかと思います。学生の試演会はまた別でございますけれども、そういうときの対応はご注意をされた方がよろしいかと思います。ただ、ディナーショーとかアリア大会などでミュージカルナンバーやリサイタルか何かで「レ・ミゼラブル」を歌うとか「キャッツ」の「メモリー」を歌手が歌うとか、それは構いません。ただ、扮装をして、ジャン・バルジャンの格好をして「レ・ミゼラブル」の主題歌を歌うとか、猫の格好をして「メモリー」を歌うとかというのは、やっぱり上演権を高い金を出してとっている団体は非常に

 

 

 

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